研究課題
片肺換気モデル(肺胞虚脱モデル)・再拡張性肺水腫のモデルを主にラットで構築して,肺胞上皮-血管のバリア機能が炎症反応によって障害されていく過程を肺胞内酸素環境の視点から捉え低酸素誘導性因子1(hypoxia-inducible factor 1;HIF-1)の活性化と関連づけ て解析することが本申請の目的であった。過去二年の研究成果を受けて本年度は以下の研究を行った。#1 培養細胞を用いた実験系においての肺胞上皮における水分輸送,肺胞上皮のタイトジャンクション機能へ酸素分圧が与える影響の評価-確立したNamiloride-blockable ENaC ファミリーとAQP5 / タイトジャンクション蛋白質 (ZO-1, occudin,claudin)の遺伝子発現の酸素分圧依存的な調節機構を検討した。酸素分圧に依存した発現変化が観察されて少なくともその一部は転写因子HIF-1に依存していることを見いだした。人為的なHIF-1活性化の調節によりこれら遺伝子の発現状況が変化することも確認した。#2 培養細胞を用いた肺胞上皮バリアの再構成実験-この実験系の構築を試みたが成功に至らなかった。しかし腸管上皮由来の細胞株を用いたバリア機能の構築には成功して人為的なHIF-1活性化がバリア機能の減弱をもたらす可能性を見いだした。#3 ラットでの片肺換気モデル(肺胞虚脱モデル)の構築ラットに気管挿管して片肺換気モデル(肺胞虚脱モデル)の構築には成功したが確実な肺水腫の創出には至らなかった。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件)
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