軽度の体温変化時の自律神経刺激による血管反応変化と全身麻酔下での内臓臓器血流変化をラットを用いて測定した。軽度低温時には自律神経伝達物質ノルエピネフリンに対する血管収縮反応性は血管依存性に主に減弱し、また軽度高温時には主に増強した。内臓臓器血流は吸入麻酔薬セボフルラン低濃度吸入下では軽度高温時に変化しなかったが、高濃度吸入下では腎血流が低下した。この結果は、周術期における軽度の体温変化時にも自律神経刺激に対する血管反応性が変化し、また吸入麻酔薬濃度依存性に臓器血流が変化するなど体内で血流の再分布が生じていることを示している。
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