研究分担者 |
澤田 博文 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30362354)
張 尓泉 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30456727)
丸山 淳子 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (50263017)
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60273380)
横地 歩 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60359768)
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研究実績の概要 |
硫化水素は(H2S)一酸化窒素と類似の作用を持ち、血管拡張や抗炎症効果を持つ。27年度は、硫化水素ドナーであるNaHS投与による肺高血圧発症後の治療効果を調べた。 ①モノクロタリン肺高血圧モデルでは、モノクロタリン投与後14日から16日まで、②低酸素曝露肺高血圧モデル(1/2気圧、10%酸素)では、慢性低酸素曝露開始後12日から14日まで、NaHSをオスモポンプを用い、 20μg/時(H2S 20)、100μg/時(H2S100)、500μg/時(H2S500)で、両モデル3群に腹腔内投与し、肺動脈圧と右心室肥大の計測を行い、肺組織を採取した。①モノクロタリンモデルでは、平均肺動脈圧(mmHg)(対照群、H2S20, H2S100, H2S500)は、27.0±2.1、228.7±0.9、32.8±4.3、 28.6±1,3 ; RVH(右心室重量/(左心室+中隔)重量 比)は 0.33±0.02、0.33±0.01、0.36±0.01、0.33±0.01 で群間に有意差を認めなかった。②慢性低酸素曝モデルでは、平均肺動脈圧、32.8±2.5、35.9±2.1、32.8±4.3、 34.0±1,6 ; RVH 0.46±0.01、0.42±0.02、0.52±0.03、0.46±0.02 で群間に有意差を認めなかった。 27年度は、肺高血圧が発症した後に治療としてNaHSを投与する実験であり、26年度は、肺高血圧が発症する以前からNaHSを投与する予防効果を検討した。結果として、本研究における実験条件では、肺高血圧発症における、NaHSの発症予防効果および治療効果を見出すことはできなかった。しかし、最終的結論を出すには今後、予防実験においては、別の投与量のよる実験が必要であり、治療実験では、投与開始時期や投与期間を変えた実験が必要である。
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