研究課題/領域番号 |
24592337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植田 一吉 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90432533)
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研究分担者 |
井口 直也 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00372623)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 腎不全 / NGAL / L-FABP / 大動脈ステント手術 |
研究概要 |
ヒト好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)は腎障害の初期マーカーとして注目され特に重症患者における急性腎障害発症の予測因子として有用であると報告されている。大動脈ステント手術では手術操作や造影剤の使用によって腎障害を起こす可能性があるが継続的にNGAL値を測定した報告はない。胸部および腹部の大動脈ステント挿入術において手術前、手術後2-6hr後、手術2日後、手術4-5日後、安定期の尿および血中のNGAL値およびL-FABPとクレアチニン(Cr)を測定した。データーが有用であった30症例中4症例(13%)に腎障害(AKINの分類ステージ1以上)が発症した。腎障害群では血清クレアチニンの上昇に比べてCr補正した尿中NGALは31±38(時間)、Cr補正した尿中L-FABP 20±9(時間)先行して上昇したが、血中NGALは21±43(時間)後に上昇した。腎障害が起きた群は全例胸部大動脈のステント手術(TEVAR)であって、腹部大動脈ステント手術(EVAR)では腎障害が起きなかった。感度特異度曲線では Cr補正したNGALはAUC 0.89 Sensitivity 0.80 Specificity 0.95 と Cr補正したL-FABP(AUC 0.85 sensitivity 0.69 Specificity0.85)と比べて優れていた。Cr補正したNGALはCrやL-FABPと比べて、腎障害を早く同定し、優れた検出力を持っている可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例も順調に集まっている。望むべくは腎障害が重篤になり透析になる症例でのbiomarkerを測定したいと考えているが、手術侵襲がすくないこともありそのような症例を得ることができていない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例の集積を行う。症例の集積によって腎障害が起こるN数を増加させ、NGAL L-FABPを含むbiomarkerの掲示経過をおう。
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次年度の研究費の使用計画 |
解析場所、論文作成がどこでも可能なようにノートパソコンを購入予定である。 実験道具
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