研究実績の概要 |
急性腎不全(AKI)は重篤な病態であるが血清クレチニン(Cr)の上昇には数日かかり、早期同定のバイオマーカーが開発されている。大動脈ステント手術は造影剤や手術操作によってAKIとなる可能性があるがバイオマーカーについては調べられていないので今回調査した。大動脈ステント手術をうける47人の患者について血中や尿中のバイオマーカーを調査した。感染などで除いた42人のうち6人(14%)でAKIが発症した。AKIの患者において、クレアチニン補正した早期バイオマーカーのNGAL (NGAL/Cr),L-FABP, NAG, Alb/CrはCrよりも早期に最高値まで達した。測定したバイオマーカーの中では NGAL/Crが最も精度がよかった (感度83% 特異度97% AUC 0.9)。 大動脈ステント手術において、早期腎障害の同定のためにはクレアチニン補正したNGAL(NGAL/Cr)が最も有用である可能性があると考えられる。
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