研究課題
腹部手術後の早期離床時に障害となる起立性血圧低下・ふらつきによる転倒のリスクの高い患者を予測し、より安全・スムーズな術後早期の離床を可能にする、歩行可能な血圧自動制御型ショックパンツを、三年間の実験的臨床研究により開発することを目標とする。H26年度は、血圧自動制御型ショックパンツの製作における共同開発を開始し、プロトタイプはおおむね完成した。方法:従来の腹部・脚部一体型の耐Gパンツをそれぞれ別途に圧入力できるものを、製作元の藤倉航装と共同で製作した。さらに、圧入力装置の開発を東京航空計機と開始し、圧迫帯への迅速・安定な圧供給および呼吸による圧迫帯圧変化をバッファできる装置の開発に着手した。結果:改変耐Gパンツのプロトタイプは気嚢の形状と装着仕様を改変したものを製作した。また、既存の吸排気バルブは呼吸用であるため耐圧設計等を見直し、腹部加圧パンツと吸排気バルブのインターフェースを調整した。呼吸用吸排気バルブを応用した加圧パンツ用吸排気バルブを腹部加圧パンツに追加し、吸排気バルブによる評価を実施し、効果のあることを確認した。さらに、意識下での呼吸による腹部の形状変化は短時間に圧迫帯内圧を上昇させ、吸気時の呼吸苦を増悪させるため、呼吸変動による圧迫帯内圧をバッファすることができる圧制御装置を開発した。また、パンツ圧が安全設定値60mmHgを超えることはないように設定した。圧パンツを含む人口圧受容器反射システムを用いて、起立性低血圧患者で臨床試験を行い、呼吸変動をバッファしつつ血圧の制御を行うことに成功した。
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巻: 23 ページ: -
10.1007/s10047-015-0818-0
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