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2013 年度 実施状況報告書

敗血症における硫化水素吸入による治療効果に関する研究―分子細胞学的検討―

研究課題

研究課題/領域番号 24592348
研究機関琉球大学

研究代表者

照屋 孝二  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50437985)

研究分担者 大城 匡勝  琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (00315483)
渕上 竜也  琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (10381211)
神里 興太  琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (10554454)
垣花 学  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20274897)
キーワード敗血症 / 硫化水素 / 臓器障害
研究概要

マウス腹腔内に大腸菌リポポリサッカライド(LPS)を投与することにより発症する敗血症に対し、硫化水素吸入療法による生存率改善ならびに肝保護効果のメカニズムを検討することを目的として以下の実験をおこなった。マウスに10㎎/kgのLPSを腹腔内投与し、その後に硫化水素80ppm5時間吸入させたところ、96時間目の生存率の改善ならびに肝機能の維持効果が認められた。さらに、硫化水素ドナーであるGYY4137の腹腔内投与による、LPS投与後敗血症による生存率への影響は、硫化水素吸入療法の生存率改善効果には及ばなかったが、対照群と比較し有意に改善効果が認められた。LPS腹腔内投与による敗血症の病態には炎症性サイトカインの放出に伴う各種臓器の炎症性臓器障害が関与しているといわれている。そこで硫化水素吸入療法による炎症反応への影響を検討したところ、LPS腹腔内投与により肺と肝臓での炎症性サイトカインの発現増加が認められたが、硫化水素吸入療法群では炎症性サイトカインの増加は抑えられた。これらのことから、LPS腹腔内投与による敗血症モデルでは、その臓器障害を引き起こす炎症反応は炎症性サイトカインの放出増加がその一因を担っており、硫化水素吸入による敗血症性臓器障害の改善効果は炎症性サイトカイン放出の抑制効果が関わっていると思われた。また、硫化水素吸入療法に代わる治療として、硫化水素ドナーの全身投与など毒性の少ない治療法の可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大腸菌由来リポポリサッカライド(LPS)のマウス腹腔内投与による敗血症モデルに対する硫化水素吸入療法の効果ならびにその作用機序を検討した結果、炎症性サイトカイン放出抑制効果がその一因ということが示唆される実験結果を得ることができ、これは当初の計画通りに進んでいることから、概ね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、硫化水素による炎症性サイトカイン放出抑制の分子生物学的機序について検討する。

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公開日: 2015-05-28  

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