研究課題
マウス腹腔内にLPSを投与する敗血症モデルを用い、硫化水素吸入療法による生存率改善効果について、敗血症に伴うHMGB1の漏出に対する影響を検討した。HMGB1の漏出については、脊髄における神経細胞のHMGB1漏出を解析した。その結果、マウス腹腔内にLPSを投与する敗血症モデルでは脊髄神経におけるHMGB1の核外移動(細胞質への移動)が認められたが、硫化水素吸入療法群ではHMGB1核外移動は少なかった。しかしながら、両群ともに明らかなHMGB1細胞外漏出は認められなかった。これらのことから、敗血症の病態における硫化水素吸入療法は、核内のHMGB1が細胞質に漏出することを抑制する可能性がある。