研究課題/領域番号 |
24592350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
山内 正憲 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00404723)
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研究分担者 |
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70295343)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 神経ブロック / 局所麻酔薬 / ソナゾイド / X線 / 大腿神経 / 坐骨神経 / 麻酔 / 副横筋筋膜面ブロック |
研究概要 |
1)臨床にける成人鼡径部における大腿神経ブロックについて、造影剤の広がりが鼠径部の大腿神経と大腿動脈周囲の見に広がる場合と、頭側に広がり腸骨稜前面の腸骨筋に沿って広がる場合があることを明らかにした。頭側に広がる場合、腸骨筋外側の外側大腿皮神経へも局所麻酔薬が広がることにより、神経ブロック範囲が大腿全面と外側にまで及ぶことが確認できた。Thiel法固定遺体を用いた研究でも臨床同様に、鼠径部周囲に広がりが限局する場合と、彫刻金周囲に及ぶ場合があり、それぞれ肉眼解剖的に投与した色素の広がりとして、大腿神経と外側大腿皮神経への色素沈着が確認された。 2) Thiel法固定遺体の膝窩部坐骨神経において投与した薬液の長軸方向の広がりについて、X線用造影剤と超音波用造影剤(ソナゾイド)、および色素投与による肉眼解剖学的な所見を比較検討した。まだ症例数は不十分であるが、ソナゾイドを用いた観察により、X線被爆することなく肉眼による直接の解剖学的観察と同様に薬液の広がりを観察可能な可能性があることが明らかとなった。 3) Thiel法固定遺体の腹横筋筋膜面ブロックにおいて、肋骨弓および側腹部における中腋下線アプローチで投与した10mlの色素が、第7-11肋間神経領域のブロックに十分と思われる広がりがあることを観察した。これにより投与した薬剤の広がりを解剖学的に明らかにし、臨床での投与量と効果範囲の関係についても適切な量を検討できる可能性が広がった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の研究計画をほぼ完遂し、次年度以降の研究計画を確実に遂行するための準備状況を整えることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
1)大腿神経ブロック:穿刺針またはカテーテルの位置と薬液の広がりについて,X線用造影剤および超音波用造影剤を用いて検討する.さらに, 組織学的に色素が神経組織のどこに浸透しているかも検討する. 2)膝窩部坐骨神経ブロック:薬液の長軸方向(頭尾側)の広がりについて、X線用造影剤と超音波用造影剤および色素投与による肉眼解剖学的な 所見をさらに比較検討する。 3)以上の結果について,学会および論文で発表する.
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次年度の研究費の使用計画 |
1)神経ブロックに必要な物品および薬液 消耗品(滅菌ガウン,手袋など),薬液(ソナゾイド,オムニパーク,生理食塩水,局所麻酔薬) 2)組織検査に必要な物品および薬液 包埋剤,スライドグラス,カバーグラス 3)学会参加旅費 4)印刷費
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