メタロチオネイン(MT)は分子量6-7 kDaの金属結合タンパク質である。以前、我々はMT-I/IIが複合性局所疼痛症候群や有痛神経腫患者の神経で発現が著しく減少していることを見出した。本研究で我々は坐骨神経を部分結紮することにより作製した神経障害性疼痛モデルラットにおいて、結紮部周囲のMTの発現が減少することを見出した。さらに、リコンビナントヒトMT-IIAを結紮部周囲に経皮的に投与することにより、疼痛回避行動が改善された。以上の結果から、MTが神経障害性疼痛の発生にも深く関与しているタンパク質であることが推察された。
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