研究課題/領域番号 |
24592354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伊吹 京秀 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90232587)
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研究分担者 |
松村 潔 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10157349)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 髄核 / プロスタグランディン / シクロオキシゲナーゼ |
研究概要 |
平成24年度は、マウスにおいて、椎間板髄核およびその周辺の組織でのプロスタグランジン合成酵素の局在を調べた。 方法:NaiveなC57BL6マウス(雄、8週齢)を過剰量のペントバルビタールにより安楽死させ、腰椎およびその周辺部を採取した。採取した組織は直ちにドライアイス粉により新鮮凍結した。20ミクロン厚の凍結切片を作成し、10%ホルマリンで固定後、蛍光免疫染色を行った。使用した一次抗体は、抗murine シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1) polyclonal 抗体(以下、抗COX-1 poly)、抗ovine COX-1 monoclonal 抗体(以下、抗COX-1 mono)、抗murine COX-2 polyclonal抗体(以下、抗COX-2 poly)である。2次抗体はAlexa fluor 488抗ウサギIgG、Alexa fluor 488抗マウスIgG を用いた。ネガティブコントロールとして、一次抗体無の染色を行った。さらに、マウスにおけるCOX-1染色の真偽に関しては、COX-1ノックアウト(COX-1 KO)マウスの組織を染色した。 結果:髄核に極めて高いCOX-1陽性像が見られた。この結果は、抗COX-1 polyと抗COX-1 monoの両方の一次抗体で同様に得られた。さらにCOX-1 KOマウスの髄核はCOX-1陰性であった。このことは、マウスの髄核にCOX-1がconstitutiveに発現していることを示す。椎間板の線維輪を構成する細胞は、中程度のCOX-1陽性像を示した。これら以外に、椎骨内の骨髄に存在する巨核球と思われる細胞、および血管内皮細胞が中程度のCOX-1陽性像を示した。一方、COX-2は髄核で低レベルの染色が見られたが、厳密なネガティブコントロールがないために、その真偽は不明である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正常な髄核およびその周辺組織での、シクロオキシゲナーゼの染色条件が確立した。マウスにおいて髄核にきわめて高レベルのCOX-1がconstitutiveに発現していることの確証を得た。
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今後の研究の推進方策 |
マウスにおいて、椎間板ヘルニアモデルを作成し、COXを中心としたプロスタグランジン合成系酵素の局在を明らかにする。椎間板ヘルニアモデルとして、椎間板線維輪を注射針で穿孔することを予定している。また、この病態モデルにおいて、プロスタグランジンを測定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物購入、抗血清などの試薬の購入、学会出張、研究打ち合わせ、研究補助者などに対する謝金、データ整理のために必要なコンピュータ周辺機器の購入などを中心に、研究費を充当したい。
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