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2013 年度 実施状況報告書

椎間板性腰痛における疼痛発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24592354
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

伊吹 京秀  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90232587)

研究分担者 松村 潔  大阪工業大学, 工学部, 教授 (10157349)
キーワード髄核 / プロスタグランジンE2 / シクロオキシゲナーゼ / アラキドン酸カスケード
研究概要

初年度にマウス椎間板の髄核で高レベルのシクロオキシゲナーゼ1(COX-1)がconstitutiveに発現していることを免疫組織化学法により明らかにした。2年目にあたる2013年度では次の3点を明らかにした。
①マウス髄核におけるCOX-1発現(ウェスタンブロット法で確認):免疫組織化学法では免疫陽性物が既知のCOX-1か、そのバリアントであるCOX-3かは不明であった。マウス腰椎の椎間板から髄核を採取し、ウェスタンブロット法でCOX-1を検出した。2種類の抗COX-1抗体のいずれを用いても、COX-1の既知の分子量(=72KD)付近に明確なバンドが検出できた。
②マウス髄核におけるcPLA2の発現:cPLA2はCOX-1の上流ではたらく酵素の一つで、リン脂質からアラキドン酸を遊離させる。ウェスタンブロット法によりcPLA2の既知の分子量(=85KD)付近にバンドが検出できた。
③マウス髄核におけるmPGES-1の発現:mPGES-1はCOX-1の下流ではたらく酵素の一つで、PGE2合成の最終反応を触媒する。免疫組織化学法により、マウス髄核にmPGES-1陽性構造が見られた。ネガティブコントロールとして、mPGES-1KOマウスの髄核を用いた。mPGES-1KOマウスでは、willdマウスで見られた髄核のmPGES-1陽性構造が消失した。ウェスタンブロット法でのmPGES-1検出は未だ成功していない。
以上の結果から、マウス髄核にはPGE2を産生する酵素群が構成的に発現していることが明らかとなった。髄核の逸脱により、これらの酵素カスケードに活性化が起こり、PGE2が産生され、痛覚を引き起こしている可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

椎間板障害モデルでの検討が未着手であるため。

今後の研究の推進方策

①mPGES-1をウェスタンブロット法で検出する。
②髄核のPGE2産生能をex vivo実験系で測定する。
③髄核PGE2産生へのmPGES-1の関与をmPGES-1KOマウスを用いて検討する。
④椎間板障害モデルを作成し、アラキドン酸カスケードの酵素群と発痛性プロスタグランジン類産生を検討する。

次年度の研究費の使用計画

研究計画における椎間板障害モデルでの検討がまだ着手されていないために、研究が少し遅れている。従ってモデル作成に要する費用として当初計画していた額は、今後使用の予定である。モデル作成に要する費用には、他施設での見学、動物購入、モデル作成器具の購入などが含まれる。
モデル作成に習熟した他施設に見学に行き、動物を購入、モデル作成に必要な実験器具、消耗品などを購入する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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