1.4波長オキシメーターを用いた非侵襲的ヘモグロビン濃度測定の精度評価:オキシメーター技術を応用した非侵襲的連続的ヘモグロビン濃度測定装置の臨床試用を行い、その臨床応用可能性を検証した。手術患者を対象として検証した結果、CO-オキシメーターによるヘモグロビン濃度および酸素飽和度を対照としてその測定精度およびトレンド追従能を検証した結果、いずれの評価項目に関しても採血による測定値との誤差が臨床的に許容しうる範囲を超えていることが明らかになり、非侵襲的、連続的ヘモグロビン測定の実用化にはさらなる技術的革新が必要であることが明らかとなった。本研究成果は最終年度に査読付き英文学術論文に掲載された。 2.近赤外線スペクトロフォトメトリーを用いた混合静脈血酸素飽和度の非侵襲的推定技術の評価:全身レベルでの酸素需給バランスを評価する指標である混合静脈血酸素飽和度を、中心静脈カテーテルを試用することなく評価しうるかどうかについて手術症例を対象として検証した。結果として近赤外線スペクトロフォトメトリーで得られる組織酸素飽和度と混合静脈血酸素飽和度の間には弱い相関が認められ、本研究における仮説の妥当性はある程度検証できた。但し、その推定精度に関してはさらなる改善が必要であることも明らかとなった。該当研究は研究初年度に国際学会で発表し、その後論文として英文学術誌に投稿したが、採択には至らなかった。 3.脈波シグナルによる酸素供給量の連続的、非侵襲的評価:パルスオキシメーターから得られる脈波シグナルと収縮期、平均、拡張期血圧および心拍出量の関係式を確立することを目的として行った。データ収集はほぼ終了し、研究費で取得したソフトウェアを用いて現在解析を進めているところである。結果は2016年度の国際学会で発表のうえ、論文投稿する予定である。
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