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2012 年度 実施状況報告書

敗血症病態による頻脈性不整脈におけるmicro-RNAの影響についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 24592362
研究種目

基盤研究(C)

研究機関愛知医科大学

研究代表者

畠山 登  愛知医科大学, 医学部, 教授 (70251907)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード敗血症 / 全身性炎症反応症候群 / 頻脈性不整脈 / 心房筋
研究概要

敗血症などの全身性炎症症候群に合併する頻脈性不整脈の発生機序を明らかにするために大腸菌内毒素であるリポポリサッカライドを用いた敗血症病態モデルを用いて検討を行った。その結果,心房筋細胞活動電位の短縮が観察され,その原因として,L型電位依存性カルシウムチャネルにおいて,チャネル電流の抑制およびチャネルそのものの発現抑制が起きることを確認した。さらに,再分極を誘導する遅延整流型カリウムチャネル電流の増大を観察したが,チャネル発現についてのウェスタンブロットにおいては発現増大が認められたが,RT-PCRにおいては有意な変化は認められなかった。一方で,マイクロRNA (miRNA)と呼ばれる細胞内に存在する長さ25塩基ほどの一本鎖RNAが,敗血症病態を含む全身性炎症反応症候群の病態においてこれらイオンチャネルの発現を調節する機能を持つことが明らかになってきた。それはmiRNAの前駆物質pre-miRNAが核内で生成され、細胞質内へ運ばれた後,dicerと呼ばれる物質により切り取られ最終的に単鎖のmiRNAが合成されることによるが,miRNAは様々な細胞内カスケードに関与していることが知られるようになり,細胞外よりdecoy RNAを投与するとその機能を抑制できる可能性が示唆された。さらにごく最近,心筋のmiRNAは主として6種(1, let-7, 133, 126–3p, 30cおよび26a)に絞られることが知られているが,これ以外のmiRNAについても,炎症病態におけるチャネル発現に影響を及ぼす可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特に問題なく進行している。

今後の研究の推進方策

敗血症を含む全身性炎症反応症候群における,頻脈性不整脈において関係するイオンチャネル発現に関係するmiRNAの特定を進める。さらに,それらの抑制などの影響を及ぼす麻酔薬などの検索を進める。

次年度の研究費の使用計画

敗血症を含む全身性炎症反応症候群における,頻脈性不整脈において関係するイオンチャネル発現に関係するmiRNAの特定を進めるためのRT-PCRのプライマーなどの購入。さらに,それらの抑制などの影響を及ぼす可能性のある薬剤検索のための費用,および情報収集のための旅費に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] MODULATION OF EXPRESSION AND FUNCTION OF ION CHANNELS IN ATRIAL MYOCYTE FROM SEPTIC GUINEA PIG2012

    • 著者名/発表者名
      N.Hatakeyama
    • 学会等名
      ESICM LIVES 2012 25th Annual Congress
    • 発表場所
      Lisbon
    • 年月日
      20121013-20121017
  • [学会発表] 心血管系におけるmicroRNAの役割と今後の展望2012

    • 著者名/発表者名
      畠山 登
    • 学会等名
      日本心臓血管麻酔学会第17回学術大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20120915-20120916
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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