骨転移を有する微小環境において発現制御される疼痛関連分子の同定を目的とし、ラット骨転移モデルの後根神経節を用い遺伝子発現解析を行った。骨転移により発現が誘導される因子としてMatrix metalloproteinase (MMP)13ならびにP2x7受容体が同定された。骨転移巣に豊富に存在するIL-1やTNF-αは、神経節におけるMMP13発現を増加させ、骨融解を促進させることで腫瘍進展ならびに疼痛発現に関与すると考えられた。また、P2x7受容体の発現を誘導する因子の1つとして、腫瘍巣において形成されるアシドーシスの影響が示唆された。
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