本研究は、ドコサヘキサエン酸などの長鎖脂肪酸が作用する受容体 GPR40/FFA1 に着目し、これらを介した新たな疼痛制御機構を明らかにすることを目的とした。長鎖脂肪酸受容体 GPR40/FFA1 は痛みに関連するプロオピオメラノコルチン、ノルアドレナリンおよびセロトニン神経上に局在し、内因性の疼痛制御機構を担っていることが明らかとなった。さらに、疼痛時には脳内の遊離脂肪酸量が変化すること、GPR40/FFA1アゴニストは炎症性疼痛を抑制することも明らかとなった。以上より、GPR40/FFA1が疼痛制御に関わる新規制御分子となることが示唆された。
|