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2013 年度 実施状況報告書

経食道脊髄超音波検査と遅延型脊髄虚血の発症について

研究課題

研究課題/領域番号 24592368
研究機関九州歯科大学

研究代表者

渡邉 誠之  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10201196)

研究分担者 三島 康典  久留米大学, 医学部, 准教授 (30258470)
キーワード遅発性脊髄虚血 / 活性化血小板 / フルルビプロフェン / 血小板凝集能
研究概要

経食道超音波検査による脊髄描出について
現在のところ、下部頸椎から下部胸椎にわたる広い範囲で脊髄の描出が可能であることがわかった。しかしながら、食道の走行と脊椎の解剖学的位置関係が編位している場合、特に高齢者においてその描出率は低値となった。しかしながら、描出できた症例では脊髄が4本の神経根により脊髄液内に吊り下げられ、脊髄表面が硬膜内側と直接接触することを防いでいた。超音波造影薬による栄養血管の造影については、脊髄正中動脈の造影効果は検出できず、脊髄の血液灌流領域を評価することはできなかった。現状では経食道超音波検査による脊髄虚血は困難と言わざるを得ないことがわかった。
遅延型脊髄虚血の発症への活性化血小板の関与について
遅発型脊髄虚血の発症原因の一つと考えられる活性化血小板による血管閉塞に対しての治療法として、血小板の活性化の抑制することが考えられる。今回、静注用NSAIDs(フルルビプロフェン;F)を用いて血小板の凝集能の低下をもくろんだ。7例でF投与前後における血算、凝固系検査所見に有意差はなかった。F投与前の透過度は73.5±13.5(76)%に対し、F投与後は30.3±16.4(27.5)%で、透過度は有意に低下した。小凝集塊はF投与前が11.4±2.6×106(10.6×106)、F投与後は15.3±5.3×106(15.6×106)と増加傾向にあり、大凝集塊はF投与前が12.6±4.6×106(14.4×106)、フルルビプロフェン投与後は1.9±1.6×106(1.6×106)で有意に減少した。F投与により血小板凝集塊の増大が抑制されることがわかった。一方では小凝集塊の成長は抑制されないために、一時止血には影響を与えずに血小板凝集塊の成長による血管閉塞の可能性を軽減することができると期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一部予測した研究結果とは異なる結果の部分(経食道超音波検査による脊髄虚血の検出)はあるが、研究の進行度としてはほぼ予定通りである。

今後の研究の推進方策

経食道超音波検査による脊髄虚血の検出は現実的に描出ができなく断念せざるを得ない。一方、今後は有意な結果が出ている活性化血小板の凝集能抑制に関する研究をつづけ、発表論文作成まで到達したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The Effects of Intraoperative Administration of Flurbiprofen on the Platelet Functions in Patients Undergoing General Anesthesia2013

    • 著者名/発表者名
      Asuka Ito, Seiji Watanabe、Yasunori Mishima, Shuhei Niiyama
    • 学会等名
      American Society of Anesthesiologists
    • 発表場所
      San Francisco、USA
    • 年月日
      20131012-20131016

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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