研究課題
core 2 N-acetylglucosaminyltransferase (C2GnT, 現称GCNT1)は糖転移酵素の一つであり、GCNT1が発現する前立腺癌、膀胱癌は悪性度が高いことが報告されている。申請者は、BCG生菌を破壊しナノメートルサイズの菌体成分としたナノパーティクルBCGを用いて検討し、GCNT1を発現する細胞(KK47GCNT1細胞)ではBCG生菌は効果がなく、一方ナノパーティクルBCGは有効であることを明らかにした。本研究では、GCNT1発現と糖鎖構造変化の解析によるBCG抵抗性膀胱癌判定法の開発と、ナノパーティクルBCGの生菌無効例への治療薬としての開発を目的とする。現在臨床的に問題となっているのはBCG failureである。そのメカニズムを探るため、日本株およびコンノート株BCG double耐性株を作出した。日本株→コンノート株の順、あるいは逆の順序で両株に耐性化させた5637細胞でも、ナノパーティクルBCGが有効であることが示された。このことから、BCG failure後の菌株交替療法でもfailureした場合でも、ナノパーティクルBCGが有効である可能性が示唆され、菌株交替療法からナノパーティクルBCGへのsequential療法の有用性が示唆された。細胞は一部の視野でdrasticな細胞死を示し、経時的観察では細胞増殖の抑制が観察された。しかし、平成28年12月、コンノート株は生産中止となり、今後新たな株が国内導入されなければ菌株交替療法は行われないこととなり、次世代BCGの開発が急務となった。KK47細胞での耐性株も作出した。耐性化までに80代以上を要したが、細胞の形態には日本株とコンノート株の間に差が見られ作用機序の差が示唆されたが、いずれもナノパーティクルBCGは有効であった。
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Int J Mol Sci
巻: 18(2) ページ: 261-276
泌尿器外科
巻: 30 ページ: 印刷中