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2012 年度 実施状況報告書

レーザーマイクロダイセクションを応用した前立腺癌の治療個別化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24592377
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

藤村 哲也  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50376448)

研究分担者 本間 之夫  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40165626)
井上 聡  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40251251)
浦野 友彦  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20334386)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード前立腺癌
研究概要

24年度は骨転移を有する前立腺癌の臨床再発、癌特異的生存率を予測する分子診断モデルを構築した。
骨転移を有する前立腺癌に対して70年以上前からアンドロゲン除去療法が実施されている。治療への反応性、耐久性は個々により様々で効果持続期間が短く早期に臨床再燃し癌死に至ったり、効果持続期間が長く生命予後が長かったりする症例がある。治療開始前に診断に用いた前立腺生検標本にて臨床再燃、癌特異的生存率を予想できれば前立腺癌治療に新たな展開が期待される。
対象は46例の骨転移を有する前立腺癌。前立腺生検標本をレーザーマイクロダイセクションにて癌細胞、間質細胞を別々に採取しRNAを抽出した。アンドロゲンシグナル、エストロゲンシグナル、幹細胞マーカー、その他の前立腺癌と関連する遺伝子の発現をRT-PCR法にて測定し臨床病理学的背景因子との関連を調べた。
Sox2, Her2, CRP, AR, ERαと臨床パラメーターを組み合わせることで臨床再燃をする症例が予測できた (Area under the curve=1.0)。また10個 (Oct1, TRIM36, Sox2, c-Myc, AR, Klf4, ERα, PSA, Gleason score, extent of disease)の癌特異的生存率に関与する因子を同定した。これらのリスク因子を用いて患者を3群(良好群、中間群、不良群)に分類したところ、5年生存率はそれぞれ90%,32%, 12%であり有意差を認めた。
本研究は骨転移を有する前立腺癌において生検標本を用いた分子診断は臨床再燃および癌特異的生存率を強力に予測できる手段であることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の特記すべきこととして①ホルマリン固定された前立腺生検標本からRNAを抽出できたこと、②レーザーマイクロダイセクション法を用いることで癌細胞、間質細胞を別々に採取し検討したこと、③骨転移を有する前立腺癌としては比較的多数の症例で長期予後が判明しているコホートを用いたこと④診断時の標本で臨床再燃の有無を予測できたこと、⑤同様に癌特異的生存率に関して新しい予後分類を提唱したことがあげられる。
以上より平成24年度の研究成果は順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

今後は今回臨床再燃に有用であった遺伝子の組み合わせ(Sox2, Her2, CRP, AR, ERα)と判別分析に用いた計算式が他の骨転移を有するコホートでも有用であるかの妥当性の検討を行う。生命予後に関しても検討できればリスク分類による生命予後の差についても妥当性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

これまでは進行前立腺癌に対するアンドロゲン遮断療法の治療効果の耐久性に関する検討であったが、この実験手法を応用し限局性前立腺癌に対する放射線療法の治療効果の耐久性に関する検討を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Prediction of androgen deprivation therapy response using laser captured microdisection technique in patients with metastatic prostate cancer.

    • 著者名/発表者名
      Fujimura T, Takahashi S, Urano T, Kume H, Takayama K, Murata T, Yamada Y, Obinata D, Inoue S, Homma Y.
    • 学会等名
      32nd SIU Congress
    • 発表場所
      Fukuoka

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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