研究課題
本研究は、磁性体ナノ粒子を前立腺癌治療への複合的な治療展開を見据えた研究である。既に酸化鉄のナノ粒子は、MRI造影剤として医療等へ応用されている。利用する磁性体ナノ粒子は、分散能が高いマグネタイト(Fe3O4)ナノ粒子(MgNPs)であり、強い磁性力とヒドロキシルラジカルの生成が特徴であることより、温熱療法や化学療法等の複合的な治療法への応用が考えられる。本年度は、(1)抗癌剤効果上昇の機構の解明であり、(2)zyxinの関与について、それぞれの実験を行った。非修飾MgNPsとdocetaxelとの併用によるの効果評価では、濃度依存的に前立腺癌細胞において細胞生存率の低下を認めたが、カルボキシル基修飾MgNPsでも同様の効果を認めた。しかし、非修飾および修飾ナノ粒子はROS産生において異なる挙動を示し、カルボキシル基修飾ナノ粒子では、LDHの上昇等の膜損傷を疑わせる所見を得た。zyxin遺伝子は脂肪細胞により誘導される遺伝子であるが、同遺伝子の酸化鉄のナノ粒子により誘導される機序は不明である。この誘導機序について解明する必要がある。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)
医学のあゆみ
巻: 252 ページ: 303-308
Nanomaterials
巻: 4 ページ: 175-188
10.3390/nano4010175
Nanomedicine
巻: 10 ページ: 1165-1174
10.1016/j.nano.2014.03.018.