本研究は、磁性体ナノ粒子を前立腺癌治療への治療展開を見据えた研究である。本研究で使用した磁性体ナノ粒子はマグネタイトナノ粒子(MgNPs)で、強い磁性力とヒドロキシルラジカルの生成が特徴であり、温熱療法や化学療法等を組み合わせた治療への応用が考えられる。同粒子と抗癌剤ドセタキセルの併用により、抗癌作用の増強を認めた。同粒子の表面をカルボキシル基修飾により、より分散能を向上させ、併用による抗癌作用の増強を認めた。非修飾MgNPsとカルボキシル基修飾MgNPsはROS産生の有無および標的が異なる事を明らかにした。ZyxinはROS産生によるstress fiber生成への影響の可能性を認めた。
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