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2013 年度 実施状況報告書

テロメア動態と上皮間葉移行機序を応用した血管内浮遊癌細胞に対する治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 24592381
研究機関金沢大学

研究代表者

北川 育秀  金沢大学, 大学病院, 講師 (00452102)

研究分担者 小中 弘之  金沢大学, 大学病院, 講師 (40334768)
京 哲  金沢大学, 医学系, 准教授 (50272969)
キーワード泌尿器癌 / テロメラーゼ / 血管内浮遊癌細胞
研究概要

昨年度に引き続き,泌尿器科癌細胞株を用いた予備実験を継続した.腎癌細胞株ACHN,前立腺癌細胞株PC3,LNCaP,DU145を細胞数を調整し,20mlの健康成人血液中に混注した研究サンプルを作製した.hTERTプロモーターとBEPを組み込んだ新規adenovirusベクターOBP401を用いたTRADシステムを使用して,血液中の癌細胞を同定することが可能であったが,検出には血液1ml中に100-1000個の癌細胞が必要であり,精度の上昇はなかった.
臨床研究として,当大学医学倫理委員会に申請し,泌尿器癌(腎癌,腎盂尿管膀胱を含めた尿路上皮癌,前立腺癌,精巣癌)患者の血液サンプルを使用できる状況を整えているが,検出力精度の点でまだ実験系が未熟であり,結果を得るのに至っていない.婦人科癌(卵巣癌,子宮体癌)患者においては,比較的検出出来ており,この場合,進行癌ではない早期癌でも血管内浮遊癌細胞が検出されている.癌腫により,検出力に差が見られることも一つの所見と考えられ,泌尿器科癌において血管内浮遊癌細胞がどのように検出されるか検討することが必要と考えられた.泌尿器科癌においては,早期では血管内浮遊癌細胞が認められない可能性があり,血管内浮遊癌細胞の数ではなく,癌腫による細胞学的特徴を検討する必要があると思われる.
今後,ベクターを改良するなど,精度を高めた工夫を試みた上で,同様の研究を継続する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

卵巣癌や子宮体癌患者においてはTRADシステムでの血管内浮遊癌細胞の同定が可能であったが,泌尿器科癌では検出率が劣ることがわかった.精度を高めるための工夫が必要であるが,現在,有効な対策が見いだされていない.

今後の研究の推進方策

泌尿器科癌細胞株を用いた予備実験では,TRADシステムで血管内浮遊癌細胞を同定することが可能であったが,臨床応用には困難な状況である.今後は,このシステムを患者間の臨床診断に使用するのではなく,わずかながら同定された細胞の生物学的特徴についての探索的研究を推進したい.

次年度の研究費の使用計画

現在使用できるシステムでは精度が低く,そのままの研究推進を断念した.
精度を高めるための工夫については探索している状況であり,研究費の使用に至っていない.
研究精度(血管内浮遊癌細胞の検出に関わる)を高めるために新たなシステム(ベクターの改良など)を構築する.さらに,検出された癌細胞についての網羅的探索(DNAアレイなど)を行う.

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公開日: 2015-05-28  

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