研究課題/領域番号 |
24592386
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 喜之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00582107)
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研究分担者 |
小川 修 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90260611)
大久保 和俊 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20511877)
今村 正明 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20594237)
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キーワード | 膀胱癌 |
研究概要 |
平成24年度は主に、ヒト膀胱癌臨床検体を用いたFilamin A発現と悪性度及び臨床病期との相関性の検討したところ、Filamin Aの免疫染色強度と膀胱癌の悪性度、あるいは浸潤性の有無について相関性を認めた。また膀胱癌細胞株(Filamin A高発現株)を発現抑制するとMTT assayで増殖能は低下していた。Wound healing assay、Matrigel Invasion assayによる細胞遊走能、浸潤能を検討したところ、有意な変化はみられなかった。 平成25年度は膀胱癌細胞株(Filamin A低発現株)にFilamin Aの強制発現の作成を試みた。しかし、Filamin Aの塩基配列が長いためか、ベクターにうまく遺伝子導入できなかった。またin vivoでは、Filamin A発現による腫瘍増殖能・局所浸潤への影響の有無を検討するため、Filamin Aを発現抑制した膀胱癌細胞株を皮下Xenograft及び腎被膜下Xenograftを作成したが、優位な差は認めなかった。現在RalGAPKOマウスと野生型マウスを用いて、新規Ral下流エフェクターを同定するため、RalGAPKOマウスの繁殖を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膀胱癌細胞株(Filamin A低発現株)にFilamin Aの強制発現の作成を試みた。しかし、Filamin Aの塩基配列が長いためか、ベクターにうまく遺伝子導入できなかった。 またマウス浸潤性膀胱癌モデルの作成は、動物実験施設のマウスのトリコモナス感染による殺処分のため準備が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
膀胱癌細胞株を用いたFilamin A発現量変化が膀胱癌の表現型に与える影響の検討 Filamin A低発現の膀胱癌細胞株にFilamin Aを強制発現したサブクローンを作成する。in vivoで免疫不全マウスを用いて、尾静脈注射による肺転移モデルを作成しFilamin Aがどのように膀胱癌細胞の転移に関与するかを検討する。 膀胱癌進展を担うRalエフェクター分子の探索 本研究ではRalGAPにより制御されるRalエフェクター分子の新規同定を目指す。すでに作成済の野生型RalGAPα2及びGAP活性を持たない変異体(N1742K)を強制発現またはノックダウンしたサブクローンを用いて、cDNA microarray・2D-LC/MSを行い、RalGAPにより制御をうける新規Ralエファクターの探索を行う。同定されてきた候補分子は、同じサブクローンでvalidationを行い、さらにRalGAP2KOマウスと野生型マウスの膀胱サンプルを用いて、in vivoでRalGAP/Ralの下流分子として動いているかどうか、検討する。
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