研究課題
昨年度に引き続き、前立腺全摘除術により得られた前立腺癌組織についてFGF19、FGF21、に対する抗体を用いた免疫組織化学染色をさらに検体数を増やし抗体を変えておこなった。その結果、FGF19、FGF21陽性群が、術後生化学的再発が有意に高く、Gleason scoreが高い症例が多く、FGF19、FGF21陽性がそれぞれ術後生化学的再発の独立した予測因子となりうることが明らかとなった。 前立腺癌細胞株LNCaPではFGF19の添加によってEMTマーカー群の誘導が認められ、FGF19陽性群の組織ではEMTマーカーの高発現が高頻度に認められた。この解析の過程で、前立腺癌特異的に発現する膜・分泌蛋白として同定されたPRL1およびoligophrenin1においても同様の検討を行い、各分子間における分子機構の相違を比較した。食事摂取などの条件を統一した状態でELISA法により血清FGF19/21濃度の測定を行った結果、血清FGF19/21濃度はメタボリック症候群と相関しており、また、FGF19濃度はGleason score8以上と関連していることが明らかとなった。これらの所見はα/β-Klothoの血清濃度および組織での発現とは関連せずに認められた。以上の研究によって得られたデータのうち、FGFファミリーを主体とした研究成果は、第102回日本泌尿器科学会総会、第72回日本癌学会総会、米国泌尿器科学会2014、第24回泌尿器科分子細胞研究会にて発表され、また、FGF19 promotes progression of prostate cancer.Prostate. 2015 Apr 8. doi: 10.1002/pros.22994.および、Restoration of fibroblast growth factor receptor 2IIIb enhances the chemosensitivity of human prostate cancer cells.Oncol Rep. 2014 Jul;32(1):65-70. doi: 10.3892/or.2014.3200.の2誌に掲載された。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件)
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