研究課題
前立腺癌患者における血清ガレクチンー3の発現: 血清PSA値が4.0 ng/mL以上のコントロール群、未治療前立腺癌群、去勢抵抗性前立腺癌群で患者血清ガレクチン-3濃度を比較検討した。その結果、去勢抵抗性前立腺癌患者では未治療前立腺癌群およびコントロール群と比較して有意に血清ガレクチン-3濃度が高かった(6178 pg/mL、 3021 pg/mL、1671 pg/mL、いづれもp<0.01)。(第73回日本癌学会学術集会(2014年)で発表)前立腺癌細胞株(LNCaP、PC-3)におけるガレクチンー3の浸潤能、遊走能への関与: ホルモン感受性LNCaP細胞とガレクチン-3強発現細胞株(LNCaP-Gal3)、および、ホルモン非感受性PC-3細胞とガレクチン-3ノックダウン細胞株(PC-3si)を構築し、前立腺癌細胞の浸潤、遊走能に及ぼすガレクチン-3発現の影響を検討した。その結果、ガレクチン-3はLNCaP、PC-3細胞のいずれの細胞においても浸潤能、遊走能を有意に促進させた(第73回日本癌学会学術集会(2014年)で発表)。ガレクチン-3が破骨細胞および骨芽細胞におよぼす影響: リコンビナントガレクチンー3蛋白質を作成し、破骨細胞株(MC3T3-E1)および骨芽細胞株(hFOB 1.19)にそれぞれ添加した結果、破骨細胞においてガレクチン-3蛋白質を添加することでTRAP陽性細胞が1.7倍と有意に増加し、ガレクチン-3が破骨細胞の活性化を促進させることが示唆された。抗アンドロゲン剤耐性とガレクチン-3の関与: LNCaP細胞ではガレクチン-3が細胞のPSA転写活性を有意に促進し、抗アンドロゲン剤(ビカルタミド、エンザルタミド)投与時のPSA低下に抵抗性を示し、薬剤耐性に関与することを見出した(第23回泌尿器科分子・細胞研究会(2015年)で発表)。
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