研究課題
我々は難治性・進行性腎癌に対する新たな抗癌療法の開発研究を行った。腎癌株化細胞ACHNと腎癌組織より作製した初期腎癌培養細胞をフローサイトメトリーにて解析したところ、新規分子標的剤テムシロリムス処理により、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド受容体2(TRAIL-R2)の発現増強が認められた。しかし、TRAIL-R2に対するヒトアゴニストモノクロナール抗体Lexatumumabとテムシロリムスとの併用でACHN細胞や初期腎癌培養細胞を24時間処理したところ、腫瘍細胞に対する相乗的な殺細胞効果は認められなかった。また、膀胱癌細胞において、Lexatumumabはアントラサイクリン系抗癌剤エピルビシンやテラルビシンとの併用による相乗的な殺細胞効果を示した。これはカスパーゼカスケードの活性化を介したアポトーシス誘導によるものであることを証明した。この研究成果は英文学術雑誌(Onlogy Rep, 2015)に発表している。なお、タンパク質合成阻害剤アニソマイシンによる腎癌細胞におけるTRAIL-R1を介したアポトーシス誘導増強効果を見出し、腎癌に対するアニソマイシンと抗TRAIL-R1ヒトアゴニストモノクロナール抗体Mapatumumabとの併用治療の可能性を認めた。部分研究成果は英文学術雑誌に投稿準備中である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件)
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