乳頭状腎癌関連因子papillary cell adhesion molecule(pCAM)は、神経や内分泌組織に分布し、細胞間接着や細胞・細胞外基質間接着を担う因子である。本研究は、pCAMが乳頭状腎癌における分子病理学的な腫瘍構築因子である証明を目的とした。pCAMを高発現する未分化腎淡明細胞癌細胞においてpCAMの発現抑制を行ったところ、高分化な乳頭状腎癌に形態変化をした。続いて、pCAMを再発現させると再び未分化腎淡明細胞癌に回帰した。この現象に伴い、上皮間葉転換(EMT)関連因子の変動があった。以上の結果より、pCAMは腎癌において乳頭状構築を制御する因子であることがわかった。
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