研究課題/領域番号 |
24592400
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00260787)
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研究分担者 |
中井川 昇 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (00237207)
長嶋 洋治 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10217995)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 腎癌 / 遺伝子発現 / 予後 |
研究概要 |
本研究では、腎癌の発生・増殖・進展経路また治療反応性や予後と関連する分子シグナル経路の解析、およびその経路内に存在する分子群に着目し、薬物治療効果の予測マーカーになりうる遺伝子(群)の同定を目指す。進行性、転移性腎癌では現在主に作用機序の異なる2種類の分子標的薬群、すなわち血管新生阻害薬(チロシンキナーゼ阻害薬)、と② mTOR阻害薬、が標準的に使用されている。①の薬物群にはソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ等が属し、その作用標的としては、VEGFR1/R2/R3, PDGFRやさらに FLT3, KIT, RET, RAF等を含むシグナル経路を、また②にはエベロリムス、テムシロリムスが属しており、mTORC1を含む経路をそれぞれ作用標的としていることが分かっている。そこでこれらのシグナル経路に属する主な遺伝子について、まずDNAマイクロアレイの網羅的発現情報により各腎癌組織型別、予後別の発現変動の状態を調べた。また淡明細胞型以外の乳頭状腎癌など、比較的まれな組織亜型については、database上で公開されている発現情報をも活用した。その結果、まず①の経路に属し、しかもマイクロアレイデータで腎癌で発現変動がみられる解析候補遺伝子約30種類を粗選別した。また当科で実際に治療を行った患者の腫瘍検体はこれまでに約40例を集積しえたので、これらを用いて遺伝子発現解析に用いるRNA/cDNAを調整した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々のDNAマイクロアレイを用いた網羅的発現情報、およびdatabase上で公開されている発現情報をもとにフィルタリングを行い粗選別した解析候補遺伝子の数はおおむね予測した程度に収まっている。また我々が実際に治療を施行した患者の腫瘍検体の当該年度での集積数、そこからの遺伝子発現解析に用いるRNA/cDNAの調整もおおむね計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
調整した患者腫瘍組織検体のcDNAを用いて、候補遺伝子のうち上位と考えられるものから、その発現状態をリアルタイムPCR等で逐一確認を進める予定である。得られた遺伝子発現情報と臨床病理因子の情報、薬物治療反応性、予後情報との関連解析を進める。 患者組織検体の集積も引き続き継続し、解析症例数を今後増やしていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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