腎癌の予後因子である高Ca血症およびその原因であるPTHLH遺伝子に着目して解析を行った。血清Ca値は初発時683例、再発時71例を集積した。腫瘍PTHLH発現は623例をリアルタイムPCRで検出した。高Ca血症およびPTHLH高発現は淡明細胞型のみにみられ、それ以外の組織型ではみられなかった。PTHLH高発現は淡明細胞腎癌の全生存の有意な予後不良因子であり、さらにstage IV進行例でも、MSKCC、NCCN等の予後因子を組み入れた多変量解析モデルにおいて、PTHLHが独立した予後因子であった。腫瘍PTHLH発現検出は、淡明細胞腎癌の診断・予後マーカーになりうると考えられた。
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