研究課題/領域番号 |
24592401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 利基 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60444965)
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研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40238134)
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
神沢 英幸 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00551277)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70448710)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 停留精巣 / 精巣腫瘍 / 精原幹細胞 |
研究概要 |
泌尿器科先天性疾患の中で、停留精巣は最も頻度が高く、その合併症のひとつが精巣腫瘍である。しかし、停留精巣に関連した精巣の悪性化におけるメカニズムは、未だ明らかになっていないのが現状である。また、停留精巣に対して精巣固定術を行ったとしても、必ずしも精巣腫瘍の発症を回避できるものではなく、精巣固定術に加えた新規治療法の開発が急務である。我々は現在、下記の研究を進め、停留精巣に合併した精巣腫瘍の発症メカニズムを調べる目的で、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現プロファイリング解析を行っている。 1.停留精巣モデルラットの作成 これまで私たちが用いてきた停留精巣モデルラットを本研究では用いている。停留精巣モデルラットは、非ステロイド性抗アンドロゲン剤であるflutamideを、妊娠Sprague-Dawleyラットに15 mg/日・腹腔内投与し、生まれてきた仔を停留精巣モデルラットとして用いる。 2.モデルラット精巣、ヒト停留精巣のマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子解析による精巣腫瘍責任遺伝子の同定と機能解析 腫瘍関連遺伝子をチップ上においたアレイを作製し、上記で作製した停留精巣モデルラット精巣、およびヒト停留精巣よりtotal RNAを抽出し、マイクロアレイを行っている。発現量の増加と低下がコントロールに比べて著しいものを、これまで文献的に報告のある精巣腫瘍関連遺伝子も参考にして、ピックアップする。これらの遺伝子について定量的RT-PCRによりmRNAの定量化を行い、最も発現が強く、腫瘍発生に関与すると考える遺伝子をさらにピックアップする。特に精原幹細胞に特異的に発現する遺伝子に着目し、ノックアウトマウスやトランスジェニックマウスの作成による各種遺伝子の精巣における機能解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を始めるにあたり、これまですでに行ってきた基礎実験の結果を反映させること等、研究分担者の十分な協力が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究を継続し、以下の4項目を遂行していく。 1.停留精巣モデルラット精巣の、マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子解析による精巣腫瘍責任遺伝子の同定と機能解析 2.ES細胞分化誘導系を用いた精巣癌発症メカニズムの検討 3.停留精巣モデルラット精巣における精巣癌特異発現遺伝子の定性・定量的評価と腫瘍予測マーカーの検討 4.精巣の悪性化を回避するためのiRNAを用いた遺伝子導入
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の研究を遂行するため、試薬を購入する。主に、遺伝子関連試薬、抗体、一般試薬などである。また実験動物を使用した研究があるためラットの購入と飼育費用が必要となる。研究を円滑に遂行するための実験助手の費用が必要となる。得られた研究成果の発表と情報収集のために、日本泌尿器科学会、米国泌尿器科学会などに出張するため、旅費が必要となる。
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