研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40238134)
小島 祥敬 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
神沢 英幸 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00551277)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70448710)
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研究実績の概要 |
泌尿器科先天性疾患の中で、停留精巣は最も頻度が高く、その合併症のひとつが精巣腫瘍である。しかし、停留精巣に関連した精巣の悪性化におけるメカニズムは、未だ明らかになっていないのが現状である。また、停留精巣に対して精巣固定術を行ったとしても必ずしも精巣腫瘍の発症を回避できるものではなく、精巣固定術に加えた新規治療法の開発が急務である。本研究では、停留精巣に合併した精巣腫瘍の発症メカニズムを調べることを目的とした。 精巣がん発生には、精子幹細胞の特性変化が関与すると考えられているが、私たちは、UTF1が精子幹細胞の挙動をあらわす特異的マーカーであることを動物実験から確認している(Kamisawa H, Mizuno K, et al., J Urol., 2012)。このUTF1を用いてヒト精巣腫瘍において、組織型によって発言量が異なることを明らかにした。 さらに、精巣腫瘍の発症リスクと考えられている停留精巣の動物モデルを用いて、精子幹細胞の挙動を経時的に検討したところ、生後9日の時点で、正常に比べて精子幹細胞の分化が抑制されていることを見いだすことができた。この生後9日の精巣組織を用いて、遺伝子発現変化をマイクロアレイ法によって検討したところ、ヒストン脱メチル化酵素であるKdm5a遺伝子が停留精巣で発現亢進していること、また、miR-135aと呼ばれるマイクロRNAが低下していることを見いだすことに成功した。
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