ホルモン耐性前立腺癌に対する核内受容体転写共役機構の解析と新規分子標的治療の開発

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24592402
• 研究機関: 名古屋市立大学
• 研究代表者: 橋本 良博 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40244561)
• 研究分担者: 河合 憲康 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20254279) ; 郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047) ; 中西 真 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40217774) ; 林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40238134) ; 戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: SRC-3 / PI3K/AKT/mTOR / 分子標的治療

研究実績の概要

SRC（Steroid Receptor Co-activator）はリガンドが結合した核内受容体に会合し、ヒストンのアセチル化とクロマチン構造を修飾し、転写活性を調節する。私たちは、前立腺癌がホルモン耐性を獲得する一因子として、アンドロゲン受容体の転写活性化因子に着目し、SRC-3が最もホルモン耐性前立腺癌組織での発現率が高いことを報告した。予備実験でSRC-3高発現時に種々のgrowth factorによって活性化されるセリン・スレオニンキナーゼであるAKTが誘導された。
PI3K/AKT/mTOR経路関連因子は分子標的薬のターゲットとしても開発されており、ホルモン耐性メカニズムへの関与が解明されれば、臨床応用に繋がると考える。SRC-3によって増強的、抑制的に制御される遺伝子を同定するためにSRC-3/LNCaP stable cellを用いてマイクロアレイ解析を行った。SRC-3発現させた8時間後と24時間後では1081、504の遺伝子が増強され、719、379の遺伝子がそれぞれ抑制された。主に増強された遺伝子は細胞周期制御因子としてサイクリンD2、E2、M4、T2、CDC25A、AKTシグナル系としてIGF-Ⅰ、IGF-Ⅱ、IRS-1、IRS-2、PIK3CA、AKT1、NFkBシグナル系としてBIRC2、BIRC3、GADD45Bが各々認められた。
本研究では前立腺癌のホルモン耐性機構獲得におけるSRC-3を介したPI3K/AKT/mTOR経路関連遺伝子の関与について解析し、分子標的治療に応用する。

研究成果

• [雑誌論文] Efficacy of endoscopic combined intrarenal surgery in the prone split-leg position for staghorn calculi (2015)
  • 著者名/発表者名: Hamamoto S, Yasui T, Taguchi K, Itoh Y, Kawai N, Hashimoto Y, Kohri K
  • 雑誌名: J Endourol. 巻: 1 ページ: 19-24
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Gemcitabine and docetaxel, an effective second-line chemotherapy for lung metastasis of urothelial carcinoma (2014)
  • 著者名/発表者名: Naiki T, Kawai N, Hashimoto Y, Okamura T, Ando R, Yasui T, Okada A, Etani T, Tozawa K, Kohri K.
  • 雑誌名: Int J Clin Oncol. 巻: 3 ページ: 516-522
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Combined endoscopic surgery in the prone-split leg position for successful single-session removal of an encrusted ureteral stent (2014)
  • 著者名/発表者名: Isero T, Hamamoto S, Koiwa S, Kamiya H, Hashimoto Y, Yasui T, Iwase Y, Kohri K.
  • 雑誌名: J Med Case Rep 巻: 8 ページ: 128
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 当院における進行性腎細胞癌に対するEverolimusの治療成績 (2015)
  • 著者名/発表者名: 橋本 良博、奥田 奈央子、小岩 哲、濱本 周造、神谷 浩行、岩瀬 豊
  • 学会等名: 第103回日本泌尿器科学会総会
  • 発表場所: 石川県立音楽堂（石川県金沢市）
  • 年月日: 2015-04-18 – 2015-04-21
• [学会発表] Treatment effects of recombinant human thrombomodulin in patients with septic urinary tract infection induced disseminated intravascular coagulation (2014)
  • 著者名/発表者名: Yoshihiro Hashimoto, Naoko Okuda, Satoshi Koiwa, Shuzo Hamamoto, Hiroyuki Kamiya, Yutaka Iwase
  • 学会等名: 34th Congress of the Societe Internationale d'Urologie
  • 発表場所: Glasgow（スコットランド）
  • 年月日: 2014-10-12 – 2014-10-15