研究課題/領域番号 |
24592409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
佐藤 威文 北里大学, 医学部, 講師 (50286332)
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研究分担者 |
黒坂 眞二 北里大学, 医学部, 助教 (10348568)
田畑 健一 北里大学, 医学部, 講師 (20327414)
久保 誠 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (40464804)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / RTVP-1遺伝子 / in vivo |
研究概要 |
1) 遺伝子導入がんワクチンの作製: マウス前立腺癌細胞のRM-9 に対して、アデノウイルス5 型をベクターとしてRTVP-1 の遺伝子導入を実施。同ベクターによるmultiplicity of infection (MOI) は、100 MOI にて検討、このトランスフェクションに関する技術的な手法は、研究申請者らの研究グループで既に確立していることで、速やかに実施できると判断し、同トランスフェクション後、RTVP-1 遺伝子導入細胞に、複数の異なる線量(Gy)を照射し細胞分裂能の停止確認による至適線量を確定した。 2) 抗腫蕩効果の確認: Day0: マウス前立腺癌細胞であるRM-9 (5xl03 cells)を前立腺局所に注入し、同日にマウス尾静脈より同じくRM-9 (5xl03 cells )を注入し、正所性・転移性前立腺癌マウスを作製。Day7, Day9,Day11 :上記1)で作成したRTVP-1 遺伝子導入がんワクチンを、2 回に分けて皮下接種し、そのコントロール群として、HBSSのみの接種、ならびにβ - gal をアデノウイルスベクターで導入したコントロールがんワクチンの計3群での評価を検討中である。 3)また上記1)2)の研究につき、連携研究機関である米国MDアンダーソンがんセンターを含めた機関とも連携を取りながら、順次実施を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って遂行を進めているが、抗腫瘍評価の解析にやや時間がかかっているが、概ね順調に進展している。 マウス前立腺癌細胞に対するアデノウイルス5 型をベクターとしたRTVP-1 の遺伝子導入につき100MOIでの条件で確認できており、遺伝子導入がんワクチンの作製手法は確立できている。 同タイムコースでのとして、Day0, Day7, Dayl4, Day21 の各ポイントでマウス剖検での、牌臓、肝臓、肺の重量測定と組織保存に末梢血の採取したものを生化学的評価結果、各主要臓器への毒性評価を進めており、その解析につき連携研究機関と並行して進めている。
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今後の研究の推進方策 |
生存期間への寄与検討: 前述(2)で抗腫療効果が確認された後、同じくHBSS , β -gal 導入がんワクチン、RTVP-1 導入がんワクチンの3群にて、同一治療スケジュールを実施、最終的な各群での生存期間を評価する。 病理学的解析: 前立腺、肺転移組織の、HE, CDS, CD4, F4/80, apoptotic indexの免疫染色による病理学的評価と、骨組織ではサイトケラチンによる免疫染色で評価する。免疫学的解析: タイムコースでの検討として、末梢血におけるリンパ球の解析として、フローサイトメトリーによる各T リンパ球( CD3, CD4, CDS)ならびにNK細胞数の経時的評価を実施し、同時に各時点での血清中におけるIFN-y 、TNF- α 、IL-2 、IL-12 の測定をELISA法で評価。細胞障害性試験によるNK細胞の機能解析および牌臓由来リンパ球の機能解析(CTL活性、ELI SPOT アツセイ、depletion検討)を実施し明らかにする。研究申請者ならびに分担研究者らは、米国研究機関で実績を十分に有しているが、免疫学的解析については、当該計画は新しいプロトコール検討であり、その機序解明につき新たなアプローチや追加実験が必要になる可能性もあると思われる。このような解析困難時の対応として、米国研究機関への検体送付やデータ解析手法の相談等、海外を含めた多方面の分野・施設からの解析協力対応も考えている。国研究体制ならびに研究組織の必要性・妥当性: RTVP-1 遺伝子導入に用いるアデノウイルスベクターは、研究協力者である米国MD アンダーソンがんセンターのTimothy C. Thompson博士の協力のもと同研究機関との連携をもっていく方針でもある。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の大半は前年度とほぼ同様の研究用消耗品に充当する予定である。また、研究成果発表のための国内、国外学会に積極的に参加し、見識を深め研究に活かすためとしての旅費に当てる。成果論文の投稿料および印刷費、外国語論文校閲料も計上している。
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