研究課題/領域番号 |
24592414
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
入部 雄司 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20348618)
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研究分担者 |
菅野 仁 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70221207)
小林 博人 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80318047)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | がん免疫細胞療法 |
研究概要 |
[目的]平成24年度はヒト末梢血γδ型T細胞の効果的増幅における基礎実験を目的とした。 [方法]γδ型T細胞増幅は健常ヒトドナーより採取・分離した末梢血CD3/TCRγδ陽性細胞を2メチル3ブテニル1ピロリン酸(2M3B1-PP:200μM)、インターロイキン2 (IL-2 : 100 U/mL)添加培地(+10%ヒトAB型血清)で行った。この培養条件を基本増幅法とし、この基本増幅法に加えIL-21、Visfatin、CD137刺激抗体それぞれの効果を以下の項目において比較検討した。①細胞増殖活性(MTTアッセイ、CFSEアッセイ)② TRAIL、FASL、TNFRSF9、NKG2A、CD94、NKG2D、Perforin、GranzymeB、TCRDV2、TNFα、IFNγの遺伝子・分子発現 [結果]①細胞増殖効果はIL-21、Visfatinが基本増幅法と比較し有意に高かった。②遺伝子・分子発現解析において、IL-21、Visfatin、CD137刺激抗体は共通して検討対象の遺伝子・分子発現(CD137刺激時のTNFRSF9除く)を有意に増加させたが、TRAIL、FASL、GranzymeBにおいて発現誘導効果が顕著であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の研究進捗は順調であったと思われるが、γδ型T細胞に対する増殖効果を分離細胞を用いた実験のみでしか行えなかった。臨床に即し全末梢血単核球を用いた増殖法でどの程度γδ型T細胞の比率が増加するかを検討する必要があるため、この点に関しては研究の遅れが認められている。また、試薬濃度、細胞数、培養期間等の実験条件の面でより詳細な検討が平成24年度中に完遂できなかった。以上の2点の実験に関して平成25年度内に繰り越して実施する。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度においては当該研究の研究目標の1つであるVisfatin、CD137のγδ型T細胞における増殖能、分子発現に関する効果が、IL21と遜色ないことを確認できたことが収穫であった。そのため、平成25年度はこれら因子の組み合わせによる細胞増幅効果の検討を行い、その効果を確認しながらin vitroでの腎細胞がん細胞株に対する細胞傷害アッセイを実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記のように、次年度は①前年度の繰り越し課題のため、再度末梢血単核球を用いた同様のγδ型T細胞増殖効果を検討する。この実験における主要購入物品は増幅培養におけるリンパ球用培地、ヒト血清、リコンビナントIL2、リコンビナントIL21、リコンビナントVisfatin、CD137刺激抗体、フローサイトメトリー用抗体、磁気ビーズ、遺伝子解析のための核酸抽出キット、PCR関連試薬等の消耗品である。②細胞障害アッセイのための主要購入物品としては細胞障害アッセイキット、腎細胞癌細胞株 (ACHN、OS-RC-2、TUHR3TKB、VMRC-RCW、Caki-1、KMRC-20等)、細胞株に導入する遺伝子コンストラクト作成、遺伝子導入のための試薬類の消耗品が中心となる。
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