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2013 年度 実施状況報告書

腎細胞がんに対するがんワクチン・抗原特異的CTL・抗がん剤を用いた併用療法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24592415
研究機関愛知医科大学

研究代表者

吉川 和宏  愛知医科大学, 医学部, 教授 (60109759)

キーワード免疫療法 / CTL / 併用療法 / 抗がん剤
研究概要

CMVペプチドをがん抗原の代用として誘導したCMVペプチド特異的CTLを用いた昨年度の実験で、泌尿器系腫瘍で用いられるソラフェニブ、ドセタキセルに加えシスプラチン、5-FU、ゲムシタビン、イレッサを用いて、CTLに対する反応阻害効果、あるいは、CTLに対する直接傷害性、CTL増殖阻害効果について検討し、分子標的薬として分類されるイレッサ、ソラフェニブでは、CTLの反応阻害効果、増殖阻害効果、直接傷害性については認められなかった。しかし、ドセタキセル、ゲムシタビンでは、cmax濃度においては反応に対する阻害効果が認められ、また、cmax濃度、その1/10濃度でもCTLの増殖阻害効果が認められた。そこで、本年度では、シスプラチンと5FUについて、さらに、実際に投与された生体中での濃度で検査したところ、5FUでは増殖阻害は認められなかったが、シスプラチンについては、薬剤なしに比しておよそ40%の増殖阻害が認められた。これらのことから、ドセタキセル、ゲムシタビン、シスプラチンはCTLとの併用は困難である事が示された。そこで、さらに5FUとCTL治療の併用効果と、他の抗がん剤との併用による殺細胞効果との比較を行った。その結果、5-FUとCTLとの併用は、5FUとシスプラチンとの併用とほぼ同等の殺細胞効果が得られ、抗がん剤の副作用を軽減することが可能と考えられた。また、このときのCTLの殺細胞効果は、E/T ratioがおよそ0.1でも効果が認められ、密な腫瘍塊に対しては、効果の期待できることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究協力者であった大学院生が退学したため。
腎がん患者で、採血協力がなかなか得られないため。
マウスを用いて新規抗原(OVA)接種時における抗がん剤の影響を検討しているが、抗がん剤の投与をしていないコントロールマウスにおいてもOVAテトラマー陽性CTLの検出が、困難であったため。

今後の研究の推進方策

・CTLを用いた免疫治療における抗がん剤の影響については、現在安定に誘導可能なCMVペプチドに対するCTLを用いて引き続き検討する。
・新規抗原接種時における抗がん剤の影響を検討しているが、抗がん剤の投与をしていないコントロールマウスにおいてもテトラマー陽性CTLの検出が、困難であったので、抗体価での評価に切り替えて評価を実施する。
・患者リンパ球からのCTL誘導については、特に腎臓がんを対象として考えていたが、なかなか検者登録数が得られないため、膀胱がん、前立腺がん等にも対象患者を拡大することとする。

次年度の研究費の使用計画

研究の遅れによる。
新たな研究協力者が得られたため,使用物品の増加が見込まれる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The therapeutic potential of a novel PSMA antibody and its IL-2 conjugate in prostate cancer2014

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto Y, Hirota M, Yoshikawa K, Sumitomo M, Nakamura K, Ueda R, Niwa R, Suzawa T, Yamasaki M, Shitara K, Kato T, Nakamura K.
    • 雑誌名

      Anticancer Res.

      巻: 34 ページ: 89-97

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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