研究課題/領域番号 |
24592420
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野宮 明 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30372379)
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研究分担者 |
新美 文彩 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00376451)
井川 靖彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40159588)
本間 之夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40165626)
西松 寛明 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60251295)
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キーワード | 慢性炎症 / 間質性膀胱炎 / 動物モデル / 虚血 |
研究概要 |
本研究の目的は、難治性疾患である間質性膀胱炎( Interstitial cystitis, 以降IC)の病態と虚血の関係を明らかにし、新規な治療手段を探索することにある。そのために、1)臨床的には、患者の尿と膀胱組織を用いて虚血関連物質の測定と遺伝子発現の定量を行い、治療後の変化も検討し、2)基礎的には、虚血を利用した新規のICの動物モデルを作成し、その膀胱間質の内皮細胞の分子細胞学的な特徴を詳細に検討してきた。 臨床症例から得られたサンプルを用いた研究では主に尿中のバイオマーカーの検索と膀胱粘膜における炎症や虚血に関連したmRNAの検索を行ってきた。昨今、ICのバイオマーカーの候補としてNerve Growth Factor (NGF)をはじめとした各種尿中物質が検討されているが、我々の検討結果では、臨床症状や病理組織所見との相関を認めず、現時点ではNGFをはじめ尿中バイオマーカーとなりうる物質を見出すに至っていない。また、mRNAの検索では、CXCL9やNGFの高発現を認めたものの、VEGFについては対照との差異を認めなかった。 基礎研究では、モデル動物の周術期の致死率の高さが課題となっていたが、プロトコルを見直し、麻酔をこれまでの薬剤の腹腔内による麻酔法から吸入麻酔への変更により致死率の減少を認め、より再現性の高いモデルとなった。プロトコル変更後も排尿生理的に頻尿となり、組織学的には炎症の長期持続を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎研究においてやや遅れを認めている。 理由としては、動物モデルの作成にあたって、致死率が高いことが論文化にあたり、課題として浮上し、その解決を行っていたためである。 すでに、麻酔方法などプロトコルの改良を行い、問題を解決しているため、現在、予定していた実験を順次進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は臨床研究においては、免疫組織学的なICと虚血の関連についての検索を進めていく予定である。 また、基礎研究においては、完成した動物モデルの生理学的、病理学的な評価と併せて、 膀胱組織における炎症や虚血に関連したmRNAの発現を解析し、ICモデルとしての妥当性を多角的に進めていく予定である。
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