研究課題
本研究の趣旨は、ヘルペスウイルス(HSV-1)を用いて、間質性膀胱炎や癌性疼痛など難治性疼痛の治療を行うことである。神経節に潜伏感染するという、HSV-1が本来有する特徴に着目し、潜伏感染時もモルヒネ様分子を持続的に発現させて難治性疼痛を緩和させるウイルスを作製することを研究目的としている。治療のイメージとしては、疼痛部位にウイルスを注射すると、ウイルス自身が軸索を逆行性に後根神経節まで伝達していき、そこで潜伏感染してLATプロモータ下にモルヒネ様物質が持続的に発現し、疼痛の緩和を図る、というものである。平成24年度には、既存のT-BACシステムを改変して、潜伏感染LATプロモータ下にモルヒネ様物質を発現するウイルスT3-Xを作製した。平成25年度には、新たに作製されたT3-Xの動物実験における疼痛の評価を様々な方法で行った。最終年度である平成26年度には、これまでの実験結果から適切なモデルを選択し、行動実験を進めた。具体的には、マウス足底にウイルスを注射して、右足底皮下に30G 針を用いて5%ホルマリン溶液を投与し、右後肢へのlicking time の持続時間を測定するホルマリンテストを行った。その行動実験では、モルヒネ様物質の発現群が対照群と比較して有意に疼痛を減弱させていた。さらに、その神経後根でRT-PCRにてモルヒネ様物質の発現の有無を確認した。これは、神経後根でのモルヒネ様物質の発現が疼痛を減弱させることを証明し、さらに、モルヒネ様物質を発現する疼痛ウイルスの作製に成功したことを示している。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 16件、 オープンアクセス 8件)
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