本研究の趣旨は、ヘルペスウイルス(HSV-1)を用いて、間質性膀胱炎や癌性疼痛など難治性疼痛の治療を行うことである。神経節に潜伏感染するという、HSV-1が本来有する特徴に着目し、潜伏感染時もモルヒネ様分子を持続的に発現させて難治性疼痛を緩和させるウイルスを作製することを研究目的としている。 まず、モルヒネ様物質を発現するウイルスT3-Xを作製した。マウス足底にウイルスを注射してホルマリンテストを行ったところ、その行動実験では、モルヒネ様物質の発現群が対照群と比較して有意に疼痛を減弱させていた。さらに、その神経後根でRT-PCRにてモルヒネ様物質の発現の有無を確認した。
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