研究課題/領域番号 |
24592426
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
工藤 祥司 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (10313800)
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研究分担者 |
吉良 聡 山梨大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10530115)
羽根田 破 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (20402068)
小林 英樹 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (50402053)
武田 正之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
宮本 達也 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (80456459)
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キーワード | TRP / VNUT / PIEZO / Boturinus toxin |
研究概要 |
尿路上皮に発現するイオンチャネには、ENaC、各種TRPチャネル、ASICsなどがある。TRPV4が伸展刺激に対して強く反応し、求心性伝達機構に重要と考えられるATP の分泌に関与することを証明した。尿路上皮がATPを分泌し膀胱機能を制御するが、このATPの分泌機序は開口放出であり、それを制御する機構のひとつがVNUTであることも証明した。培養尿路上皮細胞の弱い伸展によって起こるATPの放出は、膀胱内圧測定上の初期尿意を起こしている可能性がある。尿路上皮から分泌されたATPには2つの機能があるが、尿路上皮由来のVNUT依存性のATP分泌は、蓄尿相初期において膀胱機能を独立して制御する因子であると考えられる。マウス膀胱組織において発現するATP受容体P2Y受容体各サブタイプMrnaはP2Y1.2.6.12.14であった。P2Y6KOマウスは著しい頻尿を認めた。また膀胱内圧測定上、WTと比較して膀胱容量、膀胱コンプライアンスは共に有意に少なかった(p<0.05)。P2Y6受容体は蓄尿・排尿機能に関して、重要な役割を担っていることが示唆された。Piezo1はマウス膀胱に発現する新たな機械的刺激感受性チャネルの候補である。膀胱上皮にはPiezo1が発現しており、伸展刺激に応答して細胞内Ca2+濃度調節行い、情報伝達物質であるATP放出に関与することを実証した。以上の研究結果からPiezo1は膀胱上皮細胞におけるメカノセンサーとして機能し、求心性シグナル伝達のkeymolecular のひとつであると考えられる。今後は、TRP、VNUT、PIEZO、P2Yの各種病態における意義、相関関係などについて、検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度には、膀胱におけるメカノセンサーとしてのPiezo1の機能と局在を証明し、J Biol Chemにacceptされた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、TRP、VNUT、PIEZO、P2Yの各種病態における意義、相関関係などについて、Boturinus toxinの作用機序との関連を中心に検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の進行状況が予定と若干異なったため繰越金が発生した。 実験の進捗状況に応じ、逐次使用する。
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