骨盤内臓器癌の放射線療法を受けると約半数の患者に排尿障害が生じる。しかし、有効な治療は皆無であり、治療に難渋する。放射線照射療法による排尿障害に対して、機能的な膀胱の再生は、非常に有望である。本研究は、温度応答性培養皿を用いて骨髄由来細胞シートを作製し、放射線を照射して傷害を与えたラット膀胱にパッチ移植した。放射線照射によって傷害を与えた膀胱に骨髄由来細胞シートを移植すると、膀胱組織が再生し、排尿障害が改善することが示された。また、膀胱再生を促進する24種類の細胞増殖因子、サイトカインを検出した。したがって、骨髄由来細胞シート移植によって、機能的な膀胱が再生されることが示唆された。
|