研究課題/領域番号 |
24592429
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
水流 輝彦 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90625675)
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研究分担者 |
荒木 勇雄 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50252424)
影山 進 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50378452)
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キーワード | 下部尿路機能障害 / 過活動膀胱 / 間質性膀胱炎 / 脊髄グリア細胞 |
研究概要 |
過活動膀胱や間質性膀胱炎などの下部尿路機能障害の病態解明と治療法の開発は,今日の泌尿器科学分野における重要な課題の一つである。病的慢性疼痛の原因とされる感作のうち,中枢性感作(central sensitization)の発生と維持に欠かせない脊髄グリア細胞は,体性疼痛ばかりでなく,内臓の知覚過敏(hyperalgesia あるいはhypersensitivity)においても重要な役割を担っていることが分かってきた。したがって,膀胱における知覚過敏状態である間質性膀胱炎や過活動膀胱といった下部尿路(特に蓄尿)機能障害の発症に脊髄グリア細胞が関与している可能性は極めて高い。 本研究の目的は,各種下部尿路機能障害の発生における脊髄グリア細胞を介した中枢性感作の関与を証明することである。本研究の成果によって,これまでとはまったく異なった新たな視点からの治療薬の開発に道が拓かれることが期待される。 本研究の目的は,過活動膀胱や間質性膀胱炎の発症における脊髄グリア細胞の関与を明らかにし,これら下部尿路(蓄尿)機能障害に対する新たな薬物療法に道を拓くことである。具体的な検討項目は以下の2点である。1)ラットの各種下部尿路機能障害モデル(間質性膀胱炎,過活動膀胱)における脊髄グリア細胞の関与を証明する。2)脊髄グリア細胞を介した中枢性感作の膀胱機能への影響を評価する。 下部尿路機能障害における中枢性感作および脊髄グリア細胞の関与を明らかにする本研究は,まったく新しい視点からの極めて独創的な研究である。本研究により,中枢性感作および脊髄グリア細胞の関与が明らかになれば,これまでとはまったく異なったメカニズムによって効果を発揮する新たな治療薬の開発に道を拓くことになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サイクロフォスファマイドの腹腔内投与によって作成した間質性膀胱炎モデルを用いたグリア細胞の染色を行っているが、その活性化マーカーの選定に時間がかかっている。。その部分尿道閉塞による過活動膀胱モデルの作成を慎重に行っており同様に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
サイクロフォスファマイドの腹腔内投与によって作成した間質性膀胱炎モデルを用いて、グリア細胞の染色を引き続き行う。を行部分尿道閉塞にって作成した過活動膀胱モデルにおいても同様の実験を行う。 今後、上記疾病モデル群の脊髄(L6-S1)標本において,グリア細胞の活性化を特徴づける形態変化を観察するとともに,活性化マーカーの発現を各々のSham 群との間で比較検討を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
作成済みの標本を使用した実験が多くなっているため、実験動物の購入費がおさえられた。また借用している実験室の経費が安価であることや、既存の試薬を使用しているため物品費がおさえられている。 これまでの実験の継続を行っていく。また、次のモデル作成のため新たに実験動物を購入しての動物実験を行っていく。研究成果の学会発表を行っていく予定である。 これらに前年度からの繰越金および今年度の経費を使用してく。
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