研究課題/領域番号 |
24592434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
藤田 圭治 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50264734)
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研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70444966)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80551267)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 腎尿細管細胞傷害 / ミトコンドリア / 酸化ストレス |
研究概要 |
Cyclophilin D欠損マウスを用いた研究(結石形成におけるcyclophilin Dの機能解明):Cyclophilin D欠損マウスとwild typeマウスにグリオキシル酸100mg/kgを連日6日間腹腔内投与し以下の項目を比較検討した。 ①結石形成量;Pizzolato染色および偏光顕微鏡にて結石形成の部位、数を評価。Wild typeマウスに比べ、Cyclophilin D 欠損マウスで有意に結石形成量が低下していた。②ミトコンドリアの形態;透過型電子顕微鏡をもちいてミトコンドリアの形態を観察。Wild typeマウスではミトコンドリアの二重膜の破綻、内部不正構造を示したのに比べ、Cyclophilin D 欠損マウスでは、正常な形態を示していた。③酸化ストレス;腎組織の8OH-dGによる免疫組織染色を施行。Wild typeマウスに比べ、Cyclophilin D 欠損マウスで有意に発現が低下していた。 Cyclophilin Dの選択的阻害剤を用いた研究(尿路結石予防薬の開発):結石形成モデル動物として使用されてきたC57BL/6マウスを使用。グリオキシル酸80-100mg/kgを6日間連続腹腔内投与し同時に、NIM811(1.0、5.0、10.0、50.0mg/kg/day)を胃管で連日投与し、非投与群と比較した。 結石形成量;NIM811の非投与群に比べ、投与群で有意に結石形成量が減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に従い、おおむね順調に進展している。2つの研究(Cyclophilin D欠損マウスを用いた研究、Cyclophilin Dの選択的阻害剤を用いた研究)については期待される研究成果をだし、研究の目的である、尿路結石におけるcyclophilin Dの役割について解明されつつ、予防薬の開発に向け順調に研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
Cyclophilin D欠損マウスを用いた研究(結石形成におけるcyclophilin Dの機能解明): 平成24年度に引き続き、シュウ酸およびシュウ酸カルシウム結晶がミトコンドリアの崩壊を来すまでの経路を解明する。Fas、FasL、Caspase8、Bax蛋白をターゲットとした免疫組織染色、PCR、ELISA、Western botting法での経時的な発現状態を確認し、シュウ酸カルシウム結晶の細胞への接触からミトコンドリア崩壊(cyclophilin Dの活性)までのプロセスの中で最も重要な経路を特定する。特定した経路では、更に分子レベルの阻害が可能か検証することを目標とする。 Cyclophilin Dの選択的阻害剤を用いた研究(尿路結石予防薬の開発): 平成24年度に引き続き、結石モデル動物でのNIM811の影響を検討する。ミトコンドリアは全身の細胞に存在するオルガネラであることから、他臓器でのNIM811の影響を検証する。大動脈壁、心、肝での酸化ストレス、細胞内カルシウム濃度変化や電子顕微鏡でのミトコンドリア観察を予定し、MPTPの機能と全身への影響を解明する。
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次年度の研究費の使用計画 |
シュウ酸およびシュウ酸カルシウム結晶がミトコンドリアの崩壊を来すまでの経路を、培養細胞を用いて解明を試みるため培養細胞および培養液、各種試薬に使用。 また、これまでの研究成果を世に発信していくため、日本泌尿器科学会や尿路結石症学会、米国泌尿器科学会等で発表するための旅費として使用する。
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