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2012 年度 実施状況報告書

ホローファイバーを用いた自動能を有する間質細胞への上皮間葉誘導と機能的尿路の再建

研究課題

研究課題/領域番号 24592435
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋市立大学

研究代表者

丸山 哲史  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50305546)

研究分担者 郡 健二郎  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
林 祐太郎  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40238134)
小島 祥敬  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305539)
水野 健太郎  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70448710)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードシェアーストレス / 伸展刺激 / ホローファイバー / 上皮間葉系誘導 / KIT陽性細胞 / 移行上皮細胞 / 再生医療 / 細胞工学
研究概要

私たちは、幹細胞を用いた再生医療と細胞工学の技術とを相補的に利用し、尿路上皮および平滑筋組織を誘導した尿路組織の再生を目標としてきた。尿道および尿管においては径の細い管状構造が尿流にさらされることから圧力のみでなくシェアーストレスなどより高次の、力学的ストレスに対する強度をもった組織構造が必要である。この点で血管内皮細胞系の細胞モデルでの利用実績があるホローファイバー(中空糸)システムでは、尿路上皮および平滑筋の重層構造をもたせることが有用である。この原理に着目し平滑筋細胞層に接して間質細胞共培養することにより組織全体としても統一性あるいわゆる蠕動運動をする機能的尿路の再建をめざした。
効率的な尿移送をするため、平滑筋細胞層が組織全体として、方向性と強弱をもった統一性ある運動(いわゆる蠕動運動)をすることが必要である。ホローファイバーシステムに律動的な電気刺激を加えることで、平滑筋組織の空間的配置に方向性が持たされ、 電気的結合が強化された。一方、サイトカイン刺激を加えることで、Kit陽性間質細胞をこのシステム内に誘導され、平滑筋組織に自動能がもたらされることが示唆された。
実際の臨床応用においては組織レベルの物理的サイズと強度が必要で、プロセスの更なる効率化が必要である。出発点としてES細胞などを用いればより非侵襲的な方法となる。ES細胞由来の細胞群を基に尿路上皮やその周囲の組織を得ることも検討中である。幹細胞を用いることにより、他の臓器を傷つけることなくより低侵襲になり、生理的および機能的に望ましい治療法が期待できる。今までとは違った治療法へ発展させる事ができる可能性も示唆される。尿路上皮や平滑筋の幹細胞が利用できれば、未分化状態を維持したままの分裂増殖により、大きく欠損した尿路を補うのに十分な量の新しい組織を得ることが可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ホローファイバー(中空糸)を用いた尿路上皮細胞の培養し、観察を行った結果その増殖能、活性および形態学的特徴を評価することができ、最適な培養期間および培養の条件等を検討した。
流れ刺激による上皮細胞の空間的配列作成の3次元的に免疫組織学的確認をおこなった。続いてEMT誘導の検討し。一部の上皮細胞はEMTを来たし平滑筋へと再分化ので、その過程を免疫組織学的に追跡した。
以上のことから、計画はほぼ順調に進展している。

今後の研究の推進方策

遺伝子導入したES細胞にembryoid body(胚様体:EB)を形成させ、分化させる。以上の実験において特出される導入遺伝子とそれに対応して発現してくる遺伝子群から単一の前駆細胞を抽出する。さらにその細胞を系統として確立する。

次年度の研究費の使用計画

ES細胞への遺伝子導入、尿路上皮細胞系の確立の実験に使用する試薬類の購入が必要である。また、これらの実験を補助する助手を雇用するための人件費が必要である。さらに次年度は論文発表、学会発表のための費用として英文校正料、学会参加費、国際学会への旅費が必要と考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Attenuation of spermatogonial stem cell activity in cryptorchid testes.2012

    • 著者名/発表者名
      Kamisawa Hideyuki, Kojima Yoshiyuki, Mizuno Kentaro, Imura Makoto, Hayashi Yutaro, Kohri Kenjiro
    • 雑誌名

      The Journal of Urology

      巻: 187 ページ: 1047-1052

    • DOI

      10.1016/j.juro.2011.10.170.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intratesticular pressure after testicular torsion as a predictor of subsequent spermatogenesis: a rat model2012

    • 著者名/発表者名
      Moritoki Yoshinobu, Kojima Yoshiyuki, Mizuno Kentaro, Kamisawa Hideyuki, Kohri Kenjiro, Hayashi Yutaro
    • 雑誌名

      BJU International

      巻: 109 ページ: 466-471

    • DOI

      10.1111/j.1464-410X.2011.10279.x.

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional analysis of spermatogonial stem cells in cryptorchidism using EEF1A1 and TPT1 gene expression as indexes of cell2012

    • 著者名/発表者名
      Mizuno Kentaro, Kojima Yoshiyuki, Kamisawa Hideyuki, Kurokawa Satoshi,
    • 学会等名
      American Urological Association Annual Meeting 2012
    • 発表場所
      Atlanta(USA)
    • 年月日
      20120519-20120524
  • [学会発表] Adenovirus-mediated Dax1 gene transfer enhances the function of Sertoli cells via the SCF/C-KIT pathway.2012

    • 著者名/発表者名
      Kurokawa Satoshi, Kojima Yoshiyuki, Mizuno Kentaro, Nakane Akihiro,
    • 学会等名
      American Urological Association Annual Meeting 2012
    • 発表場所
      Atlanta(USA)
    • 年月日
      20120519-20120524

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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