研究課題/領域番号 |
24592436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中根 明宏 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70464568)
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研究分担者 |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40238134)
丸山 哲史 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50305546)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70448710)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ES細胞 / 遺伝子導入 / FACS / 再生医療 / 腎不全 |
研究概要 |
私たちは、様々な腎尿路疾患で失われた臓器の治療法を確立するために、組織再建、細胞培養、特にすべての胚葉に分化可能な胚性幹細胞(ES細胞)の研究を行ってきた。その中で非常に複雑な構造と多くの細胞群により構成されるが、自己では再生しない腎臓を再生することを試みた。そこで腎・尿管発生に重要な働きをしている遺伝子であるPax2に着目し、この遺伝子導入したES細胞を作製し、腎構成細胞を分化させる研究を行った。その結果、培養条件により、このES細胞から複数の腎構成細胞への細胞単位での分化が示された。本研究において、さらに選択的に細胞を回収培養し、生体に移植することで新しい腎臓の再生医療の技術を確立することを試みることを目的とし、研究を開始した。 まず、遺伝子導入ES細胞の培養と分化実験を行った。Pax2 ES細胞をLIFを除いた培養液中でhanging drop法を用い、embryoid body(胚様体:EB)を形成させた。5日後にEBを再度ディッシュに付着させ、分化を進めて、時間の経過とともに細胞塊を回収すると同時に細胞塊の形態変化を観察した。EBを再度ディッシュに付着させてEB自体(0日目)、5日目、10日目に細胞塊を回収した。 引き続き、Pax2 ES細胞およびEBの遺伝子発現の確認を行った。回収したPax2 ES細胞およびEBにまずはPax2遺伝子が発現しているかどうかをRT-PCR法を用い確認し、その後、他の腎発生の各段階で発現してくる遺伝子に変化がないかどうかを定量PCR法を用い確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腎発生の初期で後腎間葉に発現するPax2遺伝子に注目し、この遺伝子を導入したES細胞を利用し、腎臓の再生医療に生かすことを目的としたが、現在まで、Pax2遺伝子導入ES細胞から尿細管に発現するAQP1蛋白陽性の細胞が分化できることを見いだし、さらに培養条件により糸球体細胞のマーカーであるPodcinの発現増加した。さらに培養条件を変えることで、他の腎発生時に重要なAQP2の発現やBMP4、BMP7の上昇を確認することができた。これらの結果から今後のFACSの施行に向けての準備ができたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、遺伝子導入ES細胞の培養と分化実験も継続する。Pax2 ES細胞をLIFを除いた培養液中でhanging drop法を用い、embryoid body(胚様体:EB)を形成させ、5日後にEBを再度ディッシュに付着させ、分化を進めて、時間の経過とともに細胞塊を回収すると同時に細胞塊の形態変化を観察する。培養の条件を変えながらPax2 ES細胞およびEBの遺伝子発現を確認する。次に回収したPax2 ES細胞およびEBにまずはPax2遺伝子が発現しているかどうかをRT-PCR法を用い確認する。その後、他の腎発生の各段階で発現してくる遺伝子に変化がないかどうかを定量PCR法を用い確認する。これらの遺伝子の変化から、FACSを行う最適な条件、また抗原を決定することができるためである。これらが決定できたところでFACSを開始する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
RT-PCR、およびFACSを行うためにanti-WT1抗体、anti-AQP2抗体や、Syber Green、TRIZol、Superscriput III、Oligo dT primerを使用する。またES細胞の培養のためにG-MEM、LIF、Activin Aを使用する。また移植実験を行う場合は免疫不全マウス(SCIDマウス)を購入し行う。研究成果は適宜、日本泌尿器科学会総会や、アメリカ泌尿器科学会(AUA)などで発表を行うため、その旅費としても研究費を使用する。
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