研究課題/領域番号 |
24592438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
平山 暁秀 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (40336871)
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研究分担者 |
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, その他 (00133207)
鳥本 一匡 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10382293)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 夜間頻尿 / 睡眠障害 / 地域高齢者 |
研究概要 |
1.研究実績の概要:平成24年度は、65歳以上の独歩可能な藤原京スタディに参加した症例のうち、2010年度に行われた国際前立腺症状スコアーのうち夜間頻尿の項目が0.1の症例50例および2回以上の症例50例の男性症例を抽出し、参加の同意を得た後、3日間の夜間簡易睡眠脳波計測ならびに夜間排尿の携帯型尿流動態計による測定を行うことである。 2.進行状態:脳波計測ならびに機器の数の問題から、研究開始を10月から週1から2症例施行し、現在40症例の計測が終了した。 3.現時点でのデータ解析:現時点ですべてのデータ解析が終了したわけではないが、睡眠脳波解析が終了した15例(夜間排尿回数1回群7例、2回以上群8例 平均年齢71歳)をみると、排尿の多くがREM睡眠期から覚醒し排尿していた。夜間の排尿と睡眠状態をみると、回数においては2回以上の群では中途覚醒時間の延長(0,1回102.0 ± 59.2分、2回以上:134.1 ± 78.9分)、睡眠効率の低下(80.2 ± 10.7%、60.0 ± 14.0%)を示した。就眠後第一排尿までの時間では、短い症例において深睡眠時間の減少が認められた。尿流動体では、尿勢低下(最大尿流率:10ml/s以下)の症例ならびに、排尿時間に5分以上要する症例は、中途覚醒時間が長い傾向が認められたが、統計学的な差は現在認められていない。現在までの結果から、夜間排尿回数の増加ならびに夜間の尿流動体の低下が睡眠の質の低下をきたしていることが明らかとなった。今後、症例数を増やし夜間頻尿のどの因子(回数・時間・尿流動態など)が睡眠に主に影響を及ぼすかどうかを検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の研究に際し、参加者勧誘に対し約2か月を要した。先行研究において発汗が多い場合、計測不良が認められため実際のデータ測定は10月より開始した。3日間のデータ測定を参加者に依頼したが、参加者の都合により多くの場合、機器の貸し出しが1週間から10日間要する。所有する機器等の問題などを考慮すると週2例のデータ収集が可能であり、現在まで収集しえた症例数が40例であることは、研究はおおむね順調に進展している。 7月から9月は発汗の問題から、データ収集を行わず10月から再開を考えており、予定年度内には研究を完結したい。
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今後の研究の推進方策 |
現状の方法を推進する。現在研究参加同意後、参加拒否をした症例が10例あり今後も同様の症例が出現することが予想される。追加症例に対しては実際のデータ収集を行わない7月から9月にかけて、集積データの中間解析を行い追加症例の招集を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
脳波測定機器またはデータ解析ソフトの購入予定である
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