研究概要 |
次年度に引き続きX-link遺伝子を同定した。方法は既知のYホモログを持つX-link遺伝子を検証した。ホモログのPRKX, RPS4X, TBL1X, USPX, ZFXはYホモログで精子形成関連遺伝子でありHSFX、TSPYL2、UTXからもYホモログから推察した。霊長類に主に発現するX染色体に発現する精子形成遺伝子4種類を同定した。さらに霊長類のデータベースからではCXorf51、HSFX1/2, FAM104B, KIAA1210の4種類を有力な候補として絞った。前年度まで採取を終え精巣組織のステージ別に資料を分類するとともにcDNAを作成したものからその発現を確認した。さらに過剰Xを持ったクラインフェルター症候群やXX male染色体の臨床サンプルを収集しそのcDNAからステージ別発現を検証した。この中からHSFYはHSFXともに円形精子細胞に特異的発現をしていることを確認した。HSFYはheat shocktranscription factor family, X/Y linkedであり、熱やストレスが加わると活性化される。HSF1 (8q24.3), HSF2 (6q22.31), HFS4 (16q21), HFS5 (17q22), HSFX1/2 (Xq28), HSFY1/2 (Yq11.222)のグループで、HSFY1/2は平生非活性である。さらに発現産物には転写バリアントが二つ存在する。Transcript variant 1はexon1, exon2から構成される。Transcript variant 2はexon1, exon7から構成される. Variant1はHSF-type DNA-binding motifを持っているがvariant2は持っていないところまで構造的に解明できた。X染色体における精子形成に関与する可能性が考えられる。
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