研究課題
1,7回以上C57BL/6 にバッククロスを掛けたRbm3 ノックアウトマウスを野生型マウスと、あるいはRbm3ノックアウトマウス同士を掛け合わせたが、妊娠、出産への影響は検出できなかった。また、精巣の重さ、形態、組織構築、精子の形態にも異常がなかった。また、Rbm3とCirpのダブルノックアウトマウスもメンデル遺伝に従って生まれ、形態学的にも異常を認めなかった。精巣の重さ、形態、組織構築も正常であった。2,マウス皮膚線維芽細胞、皮膚上皮細胞及びNIH/3T3線維芽細胞株に、CirpあるいはRbm3を発現させても細胞増殖の促進効果はなかったが、細胞運動の亢進が認められた。ノックアウトマウス個体においても、皮膚細胞の運動能が低下していた。3,重傷出血性ショックの患者血清、出血性ショックや敗血症のモデルマウス、ラットの血清中にCirpタンパク質を検出した。細胞外のCirpがTLR4を介してサイトカインの分泌を亢進させ、全身性炎症反応症候群を起こすこと、Cirpノックアウトマウスでは全身性炎症反応症候群を起こしにくいことを明らかにした。4,炎症性サイトカインTNFやTGFがCirpの発現を抑制することにより、体内時計の遺伝子発現を抑制していることを明らかにした。5,マウスを軽度の低温環境下におくと、実験的劇症肝炎による致死率が低下すること、 これが活性酸素の産生を抑制するためであることを示した。
3: やや遅れている
1,Rbm3とCirpのダブルノックアウトマウスの作出は計画通り行うことができた。Rbm3 ノックアウトマウス、Rbm3とCirpのダブルノックアウトマウスの精子運動能、数、未分化及び分化(EpCAM、alpha6-integrin、c-kit の発現を指標)spermatogonia の数およびBusulfan 投与後の精巣回復過程の解析が遅れている。2,マウス皮膚線維芽細胞、皮膚上皮細胞及びNIH/3T3線維芽細胞株に、CirpあるいはRbm3を発現させたときに細胞増殖よりも細胞運動の亢進を認め、その機序に関与する分子を見いだした。3,ヒト精巣腫瘍細胞株でCirpの高発現を見いだしたが、細胞へのトランスフェクションがうまくいかず、機能解析が行えていない。
1,Rbm3ノックアウトマウスやRbm3とCirpのダブルノックアウトマウスの生殖能や精子形成細胞の解析、ストレス抵抗性の解析を進め、見いだされる変化の分子機序を明らかにする。2,CirpあるいはRbm3を発現させたときに細胞運動の亢進する機序、シグナル伝達経路を明らかにする。3,ヒト精巣腫瘍細胞株CirpおよびRbm3蛋白質の発現を変動させ、細胞増殖、運動能への影響を解析する。さらに臨床例でCirpおよびRbm3蛋白質の発現を解析し、臨床的意義を検討する。
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