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2012 年度 実施状況報告書

造精機能障害におけるCyclooxygenase 2(COX2)の制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24592449
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋市立大学

研究代表者

窪田 裕樹  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10347403)

研究分担者 郡 健二郎  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
林 祐太郎  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40238134)
佐々木 昌一  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50225869)
梅本 幸裕  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80381812)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード造精機能障害 / COX-2
研究概要

本年度は、まず実験動物としてCOX-2誘導モデルマウスを作製した。COX2は正常精巣組織には発現していないため、実験的に造精機能障害を来たしたものをCOX2誘導モデルとした。具体的には、5週齢ICR雄マウスを麻酔下に腹部正中切開を加え、左精巣を体外にいったん脱転させたのちに腹腔内に非吸収糸で固定する。右精巣には処置を加えない。コントロールとしては、シャムオペレーションを施したものを用意した。
これらのモデルマウスを一定期間(1, 2, 5週)の後に頚椎脱臼により安楽死させて、各臓器(精巣・精巣上体・陰茎・前立腺)と血液を採取した。H-E染色により、各臓器の組織像を観察し、精巣においてはJohnsen’s scoreを利用して造精機能障害の評価を行ったところ、モデルマウスの精巣では精細管径の縮小や細胞数の減少がみられ、有意な造精機能障害が認められた。TUNEL染色によりアポトーシス細胞の検出を試みたところ、モデルマウスの精巣内では、精細胞のアポトーシスが著しく亢進していた。
免疫組織化学染色法により、COX-1およびCOX-2の発現を検討したところ、COX-2はモデルマウスの精巣に強く発現していたがコントロールではほとんど発現がみられなかった。COX-1は両者でごく弱い発現を認めるのみで優位な違いはなかった。
この結果からは、造精機能障害の強さに一致してCOX-2の発現がみられることが確認された。したがって、当初の予定通りにCOX-2誘導モデルマウスを確立することができたと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究においては、COX-2誘導モデル動物の作製がもっとも重要と考えられる。再現性を確認しなければならず、COX-2の発現レベルも十分なものでなくてはならない。
本年度の実験的モデルマウスの作製は、造精機能障害・アポトーシスとCOX-2の発現の間に明確な関連性を示唆する結果となり、満足すべきと考えられる。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、作製したモデルマウスにおけるCOX inhibitorsを投与することでCOX1とCOX2の役割を明らかにする。具体的には、作製したモデルマウスを以下の5つのサブグループに分け、COX1とCOX2にそれぞれ選択的なinhibitorおよびCOX1とCOX2の両者を阻害する非選択的inhibitorを投与する。
◆R群  実験的停留精巣作成のみ行う群。◆RN群 実験的停留精巣作成した後、NS398(selective COX2 inhibitor)を投与する群。◆RA群 実験的停留精巣作成した後、aspirin(non-selective COXs inhibitor)を投与する群。◆RS群 実験的停留精巣作成した後、SC560(selective COX1 inhibitor)を投与する群。◆S群  シャムオペレーション群。
一定期間(1, 2, 5週)の後にマウスを頚椎脱臼により安楽死させて、各臓器(精巣・精巣上体・陰茎・前立腺)と血液を採取する。体重の変化および各臓器の重量を測定しておく。精巣におけるアポトーシスの発現およびCOX-1,COX-2の発現の検討、アポトーシス関連タンパクの検討を進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度においては、上に示したようにモデルマウスに対するCOX inhibitors投与実験を進めていくため、動物の飼育費や試薬代として一定の金額が必要である。また、アポトーシス関連タンパクの誘導を検討するためにRT-PCRを繰り返し行う必要があるため、PCR試薬代も十分に用意しておかねばならない。
一部の研究成果はアンドロロジー学会や日本泌尿器科学会などで発表するため、旅費も必要となる。

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公開日: 2014-07-24  

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