研究課題/領域番号 |
24592450
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
石橋 道男 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40107032)
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研究分担者 |
東原 英二 杏林大学, 医学部, 教授 (00092312)
長尾 静子 藤田保健衛生大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (20183527)
千原 良友 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40405395)
小島 直人 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (90420413)
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キーワード | 多発性嚢胞腎 / ラットPCK / 細胞外マトリクス / DNAメチル化 / ベンゾイソフラノン化合物 |
研究概要 |
多発性嚢胞腎の動物モデルPCKラットの嚢胞化進展過程において新規ベンゾイソフラノン誘導体低分子化合物(小島)のうちNK0070を投与し嚢胞化進展を抑制する効果(長尾)と、in vitroにおける細胞マトリックス接着の応答蛋白分子のDNAメチル化によるエピジェネテイクス修飾を検討しNK0070はHIF-1、VHL、Galectin-3、MMP9、LAT1はhrTGFβ1刺激により低メチル化レベルを修飾し細胞マトリックス接着に関わる分子の関与が示唆された(千原)。 平成25年度では、新規ベンゾイソフラノン誘導体NK0070がPCKラットの嚢胞化進展過程を修飾し腎組織の機能、構造の温存することから、新規ベンゾイソフラノン誘導体NK0070化合物の標的分子を類推することがさらに病態解明につながると考えられた。そこで、(株)ファルマデザインに委託し、ケミカルゲノミクスによる標的分子の類推を試みた。類推できる蛋白としていくつかの酵素群が挙がり、HIV-1 integrase、DNMT1などであった(石橋)。さらに、DNAメチル化が遺伝子の発現を機能的に修飾することから、発癌や自己免疫疾患との関連が示唆されているラットLTR-内因性レトロウイルス遺伝子(LTR-ERV)の発現がPCKラットの嚢胞化進展過程においても惹起されていないかを検討した。ラットLTR-ERVのうち、Gag関連遺伝子のうちMlana、RTL1、PEG10の3遺伝子、Envelop関連遺伝子のうちErvfrd-1遺伝子、他のLTR-ERV関連遺伝子のうちGypsy integrase-1遺伝子を対象として、PCKラットの嚢胞腎組織からRNA、DNAを分離抽出し、mRNAレベルの発現とそれらDNAメチル化レベルを検討することとした。ラット腎尿細管細胞株NRK52Eを用いた予備実験で実施可能なことが確認できた(千原、東原、石橋)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度:①PCKラット、雄5週令から15週令まで新規ベンゾイソフラノン誘導体NK0070の投与実験:治療群-1 n=3 NK0070 30mg/kg/day, 皮下投与,対照群(vehicle) n=3 5%gum arabic, 皮下投与。評価:10週間投与実験終了時に左右腎を摘出する。腎重量、血漿中クレアチニン値、形態的評価、免疫染色として、alpha-tubulin 抗体によるcilia の染色、ほかに、アポトーシス、PHA-Eによる血管新生、HIF-1、VHL、Galectin-3、MMP9、LAT1、E-cadherinの各蛋白分子。 2.平成25年度:①新規ベンゾイソフラノン誘導体NK0070がPCKラットの嚢胞化進展過程を修飾し腎組織の機能、構造の温存することから、新規ベンゾイソフラノン誘導体NK0070化合物の標的分子を類推することがさらに病態解明につながると考えられた。そこで、(株)ファルマデザインに委託し、ケミカルゲノミクスによる標的分子の類推を試みた。類推できる蛋白としていくつかの酵素群が挙がり、HIV-1 integrase、DNMT1などであった。 ②DNAメチル化が遺伝子の発現を機能的に修飾することから、発癌や自己免疫疾患との関連が示唆されているラットLTR-retrotransposons、内因性レトロウイルス(Endogenousretrovirus, ERV)遺伝子の発現がPCKラットの嚢胞化進展過程においても惹起されていないかを検討することとした。そのために、ラットLTR-ERVのうち、Gag関連遺伝子のうちMlana、RTL1、PEG10の3遺伝子、Envelop関連遺伝子のうちErvfrd-1遺伝子、他のRetroelement関連遺伝子のうちGypsy integrase-1 (Gin1)遺伝子を対象として、PCKラットの嚢胞腎組織からRNA、DNAを分離抽出し、mRNAレベルの発現とそれらDNAメチル化レベルを検討することとした。ラット腎尿細管細胞株NRK52Eを用いた予備実験で実施可能なことが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
1.平成25年度では、新規ベンゾイソフラノン誘導体NK0070がPCKラットの嚢胞化進展過程を修飾し腎組織の機能、構造の温存することから、新規ベンゾイソフラノン誘導体NK0070化合物の標的分子を類推することがさらに病態解明につながると考えられた。そこで、(株)ファルマデザインに委託し、ケミカルゲノミクスによる標的分子の類推を試みた。類推できる蛋白としていくつかの酵素群が挙がり、HIV-1 integrase、DNMT1などであった。費用:(株)ファルマデザインに委託 3.平成26年度は、DNAメチル化が遺伝子の発現を機能的に修飾することから、発癌や自己免疫疾患との関連が示唆されているラットLTR-retrotransposons、内因性レトロウイルス(Endogenousretrovirus, ERV)遺伝子の発現がPCKラットの嚢胞化進展過程においても惹起されていないかを検討することとした。そのために、ラットLTR-ERVのうち、Gag関連遺伝子のうちMlana、RTL1、PEG10の3遺伝子、Envelop関連遺伝子のうちErvfrd-1遺伝子、他のRetroelement関連遺伝子のうちGypsy integrase-1 (Gin1)遺伝子を対象として、PCKラットの嚢胞腎組織からRNA、DNAを分離抽出し、mRNAレベルの発現とそれらDNAメチル化レベルを検討する。あわせて、マトリクス応答として組織温存に重要な血管新生の転写因子としてHIF-1, VHL、くわえてGalectin-3について、同様の解析を実施する。免疫染色として、alpha-tubulin 抗体によるcilia の染色、PHA-Eによる血管新生、Galectin-3、MMP9の各マトリックス蛋白分子について実施する。費用:各種遺伝子のプライマー、DNAメチル化レベル測定の消耗品、抗体
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次年度の研究費の使用計画 |
LTR-内因性レトロウイルス遺伝子についての同定に文献検索をふくめた準備と予備実験のみ平成25年度内に実施できなかったため。最終年度の平成26年度に本実験を実施するために次年度使用となった。 PCKラットの組織について細胞外マトリクス蛋白とLTR-内因性レトロウイルス遺伝子につきRNA蛋白発現とエピジェネテイクス修飾を実施する。
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