研究課題/領域番号 |
24592458
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 昌利 東北大学, 大学病院, 助教 (00451584)
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研究分担者 |
松田 直 東北大学, 大学病院, 准教授 (50361100)
菅原 準一 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (60280880)
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キーワード | 妊娠ヒツジ / 子宮内炎症 / 胎児皮膚組織 / 炎症性サイトカイン |
研究概要 |
当初の計画では、平成25年度にはin vivo実験に移行する予定であったが、現在はそこまで実験を遂行できていない。平成24年度に十分な組織検体数を確保できなかったため、平成25年度にも前年度同様、検体採取ならびに収集を行った。平成24年度には子宮内炎症モデル3例からしか胎仔の皮膚組織を採取できなかったが、平成25年度はG-CSFとLPS(リポポリサッカライド)を羊水腔に投与し人工的に子宮内炎症を作成した「子宮内炎症モデル」2例から、また、G-CSF/LPSを用いなかった「非子宮内炎症モデル」3例から採取保存ができた。学術論文化ならびに学会での発表に耐えうるためにはさらに症例群を増加させる必要があり、現状では計画に比して進行が遅延していると言わざるを得ない。当初の計画より遅れて十分な検体数を確保できなかった理由として、計画通りに健康な妊娠ヒツジの供給を得られなかった(妊娠していないものや週数違いがあった)ことが一因と考えられる。しかしながら、前年度よりは組織検体の収集が進行しており、今後、引き続きの組織検体収集と平行して、皮膚組織腫瘍細胞であるケラチノサイトの細胞培養や、その後に引き続くin vitroでのポリミキシンB負荷実験を行うことができるものと思われる。 当初の計画に比較し遂行現状は遅延しているものの、依然、胎児皮膚組織と子宮内炎症の関係性を示唆する重要な発表や論文は公表されておらず、組織標本採取数が十分になり細胞培養実験も遂行できれば、子宮内炎症が胎児ならびに胎児の皮膚組織に与える影響を学術的に解析が可能であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は健康な妊娠ヒツジを予定通りに入手することが出来なかったことが理由と考えられる。また、実験途中で子宮内胎児死亡となってしまい実験計画を中止せざるを得ない症例があったことも実験が遅れている原因の一つと言える。さらに、研究に必要な資材の準備も遅れており、総合的に「遅れている」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度、ならびに平成25年度の研究進捗状況を鑑み、平成26年度は計画通りに実験を遂行するために、より確実に予定した妊娠日数の妊娠ヒツジを入手する必要があると思われる。そのために、前年度同様に契約牧場における確実な妊娠の確認、同妊娠日数のスペア用妊娠ヒツジの供給を依頼する予定である。また、実験をシリーズとして行う前に契約牧場に赴き、超音波検査を用いて自らの手で妊娠の確認、かつ胎仔の大きさより妊娠日数のチェックを行い、選定した後、実験に用いることを今年度も計画している。 さらに、今後はin vitro実験に必要な資材の確保や共同実験室のキャパシティ等判断といった準備も行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成26年度請求額と合わせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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